◎上腹部症状の鍼灸治療
〇胃十二指腸
胃・十二指腸の内臓反応は、交感神経、迷走神経(副交感神経)、
横隔膜(体性神経)があります。
・交感神経反応治療点
胃の交感神経は強く、T5~T9デルマトーム領域(乳頭~斎上)の
左側の体壁前面と背面に出ます。十二指腸は右側T8~T10。
※上腹部に病変があると、交感神経の求心性神経路により、
中枢に刺激が伝わり、遠心路経由で効果器に伝わる。
背部治療点:胆兪、脾兪、胃兪
腹部治療点:巨闕、上脘、中脘(T6~T9)
※全て左側に出ることが多い
・横隔膜反応治療点
胃は横隔膜隣接臓器なので、横隔膜反応も強く、左の頚肩のコリ
が出ます。横隔膜反応は、交感神経反応よりもやや上位にも出現し、
さらに横隔膜自体の反応から、心窩部や左の季肋部
にも反応が出やすく、心窩痞硬、胸脇苦満の腹症を生じます。
背部治療点:厥陰兪、心兪、膈兪、肝兪
※胆兪、脾兪、胃兪にプラスして。
腹部治療点:膻中、中庭、鳩尾、巨闕(T5~T6)。
※ 巨闕、上脘、中脘にプラスして。
その他 :頚肩
:心窩部(巨闕、幽門、不容)
:季肋部(腹哀、期門)
※胃は左T5~T9、十二指腸は右T8~10(下脘くらいまで)
・迷走神経(副交感神経)治療点
上腹部痛をもたらす内臓は交感神経優位ですが、耳介肺区、
頚動脈洞への刺鍼は刺激点として意味があります。
月夜の散歩で脳と内臓を休める。