上部消化器疾患15 | 治る力

治る力

鍼灸・マッサージを生業にしている者が思うことを
綴ります。ときに前向きに、ときに後ろ向きに

◎上腹部症状の鍼灸治療

〇胃十二指腸

胃・十二指腸の内臓反応は、交感神経、迷走神経(副交感神経)、

横隔膜(体性神経)があります。

 

・交感神経反応治療点

胃の交感神経は強く、T5~T9デルマトーム領域(乳頭~斎上)の

左側の体壁前面と背面に出ます。十二指腸は右側T8~T10。

 

※上腹部に病変があると、交感神経の求心性神経路により、

中枢に刺激が伝わり、遠心路経由で効果器に伝わる。

 
背部治療点:胆兪、脾兪、胃兪
腹部治療点:巨闕、上脘、中脘(T6~T9)
全て左側に出ることが多い
 
・横隔膜反応治療点
胃は横隔膜隣接臓器なので、横隔膜反応も強く、左の頚肩のコリ
が出ます。横隔膜反応は、交感神経反応よりもやや上位にも出現し、
さらに横隔膜自体の反応から、心窩部や左の季肋部
にも反応が出やすく、心窩痞硬、胸脇苦満の腹症を生じます。
 
背部治療点:厥陰兪、心兪、膈兪、肝兪
                  ※胆兪、脾兪、胃兪にプラスして。
                  
腹部治療点:膻中、中庭、鳩尾、巨闕(T5~T6)。
        ※ 巨闕、上脘、中脘にプラスして。
        
その他   :頚肩
        :心窩部(巨闕、幽門、不容)
        :季肋部(腹哀、期門)
 
※胃は左T5~T9、十二指腸は右T8~10(下脘くらいまで)
 

 

迷走神経(副交感神経)治療点

上腹部痛をもたらす内臓は交感神経優位ですが、耳介肺区、

頚動脈洞への刺鍼は刺激点として意味があります。

 

月夜の散歩で脳と内臓を休める。