〇横隔膜神経反応
横隔膜隣接臓器(肺下葉、心臓、胃、肝臓、すい臓など)に
異常が起こり、その異常反応が横隔膜に波及すると、本来の
内臓痛に加えて、頚肩のこり、心窩部痛、中背痛を起こすことが
多くあります。とくに肝臓は知覚に鈍感なので、肝臓自体の反応
ではなく、横隔膜反応が主となります。
※横隔膜神経反応の求心路は内臓求心性神経(迷走神経)で、
遠心路は運動神経です。
横隔神経は横隔膜の運動を支配する運動神経です。
横隔膜を中心部と辺縁部に分けると、
中心部はC3~C6神経支配ですから、横隔膜中心部から神経の
興奮は、C3→頚部、C4→肩甲上部、C5→大椎付近のコリ、
辺縁部はT5~T12支配ですから、同部の支配領域(上腹部、
心窩部、肩甲間部、中背部のコリを生じます。
先述しましたが、コリは運動性の
体性神経反応(これは横隔膜反応)で、それ以外にも知覚性の
体性神経反応(圧痛、撮痛)、交感神経反応(皮膚のざらつき、
冷え、発汗)なども出現する可能性があります。
例えば胃の調子が悪い(心窩部に痛みやムカムカした感じがある)
といった場合、横隔膜反応を考慮し、胃のデルマトームよりも少し
上位の範囲(肩甲間部~中背部、ツボなら膀胱経上部穴)と、
さらに頚肩くらいまでの反応点(コリなど)を探し、施術します。
胃自体の反応は、もう少し下の脾兪辺りに出ます。
背部の反応部位は以上の通り。
ちなみに、腹部反応部位は横隔膜反応なら膻中~巨闕、
胃反応は、巨闕~中脘辺りです。またそれ以外に知覚過敏体として、
小野寺電点(腸骨後稜より約3cm下)に反応が現れます。
鍼灸もいいけれど、森林浴もいいですよ。