上部消化器症状12 | 治る力

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鍼灸・マッサージを生業にしている者が思うことを
綴ります。ときに前向きに、ときに後ろ向きに

〇関連痛と撮診法

内蔵病変は交感神経求心路を興奮させ、

同時に交通枝を経由して脊髄神経も興奮させます。

なので内臓病変であっても体性神経を通じて関連痛が

生じるわけです。

神経の興奮が強いもの(閾値以上)ならオーバーフロー現象

により関連痛が出ます。

興奮の弱いもの(域値以下)であれば関連痛は出ないのですが、

撮診法を行うことで過敏点を探しやすくなります。

 

体幹部における撮診法は、皮膚の浅層を走行する神経の興奮を

調べるものです。この神経は脊髄神経の前枝(肋間神経)と

後枝で、脊髄神経前枝(肋間神経)は体幹の前側と外側、

脊髄神経後枝は背部後側を走行していて、圧痛が生じやすいのが、

神経が表層に出てくる部分。これは前枝なら、胸骨の際から下腹部

にかけて(胸骨点‐胃経のライン)で、筋肉でいえば腹直筋・側腹筋群

で、後枝なら背部兪穴(脊柱店-棘突起外方3~4㎝)の辺り、

筋肉なら脊柱起立筋、広背筋です。

外側の反応点(外側点、腋窩点)は腋窩線上です。

 

「腰痛」の項でも述べましたが、

普通のひと(健常者やとくに痛みを訴えて

いないひと)であっても、撮診を行うと痛いこともあります。

しかも、どこか特定の場所だけが痛いのではなく、

上から下まで全部痛いということもあります。

自覚痛などの所見と合わせることが大切です。

※体幹前部の撮診はやりにくいです。

 

撮診。