〇関連痛と撮診法
内蔵病変は交感神経求心路を興奮させ、
同時に交通枝を経由して脊髄神経も興奮させます。
なので内臓病変であっても体性神経を通じて関連痛が
生じるわけです。
神経の興奮が強いもの(閾値以上)ならオーバーフロー現象
により関連痛が出ます。
興奮の弱いもの(域値以下)であれば関連痛は出ないのですが、
撮診法を行うことで過敏点を探しやすくなります。
体幹部における撮診法は、皮膚の浅層を走行する神経の興奮を
調べるものです。この神経は脊髄神経の前枝(肋間神経)と
後枝で、脊髄神経前枝(肋間神経)は体幹の前側と外側、
脊髄神経後枝は背部後側を走行していて、圧痛が生じやすいのが、
神経が表層に出てくる部分。これは前枝なら、胸骨の際から下腹部
にかけて(胸骨点‐胃経のライン)で、筋肉でいえば腹直筋・側腹筋群
で、後枝なら背部兪穴(脊柱店-棘突起外方3~4㎝)の辺り、
筋肉なら脊柱起立筋、広背筋です。
外側の反応点(外側点、腋窩点)は腋窩線上です。
「腰痛」の項でも述べましたが、
普通のひと(健常者やとくに痛みを訴えて
いないひと)であっても、撮診を行うと痛いこともあります。
しかも、どこか特定の場所だけが痛いのではなく、
上から下まで全部痛いということもあります。
自覚痛などの所見と合わせることが大切です。
※体幹前部の撮診はやりにくいです。
撮診。