上部消化器症状10 | 治る力

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鍼灸・マッサージを生業にしている者が思うことを
綴ります。ときに前向きに、ときに後ろ向きに

上部消化器症状に限らず、鍼灸院に来られる患者さんは

重篤ではないけれど、いろいろな愁訴(不定愁訴)をもつ

という方が多いですね。

これは現代学的には、心身症や不定愁訴症候群に分類されます。

不定愁訴症候群の根本原因は自律神経の問題にあり、

多くは大脳皮質が関与しています。

 
上腹部自覚症状の相互関連は次のようになります。
ストレスなどによって大脳皮質が興奮します。すると胃液の分泌が
亢進、上部消化器粘膜が炎症を起こし、上腹部痛となります。
一方で、大脳皮質の興奮は、延髄嘔吐中枢を直接刺激、
これにより悪心嘔吐をもたらします。また腹部粘膜の炎症は
内臓求心性神経(迷走神経)を介して、やはり延髄嘔吐中枢を刺激し、
悪心嘔吐となります。
 
悪心嘔吐は直接的に、上部消化管粘膜の炎症は
蠕動運動を低下・胃液の分泌を減少させることによって、
食欲不振となります。
 
呑気症(やはりストレスからくることが多い)から、
心窩部膨満となり、これが食欲を減退させます。
 
また呑気症は、下部食道から噴門部の神経・筋の異常を伴っていて、
これにより胸やけを起こし、胸やけから食欲不振となります。
 
これらに対しての治療は、自律神経を整える(交感・副交感の調整)
ことで、それにはリラクゼーションがとても大切です。
メカニズム的には、交感神経の興奮を鎮め、二次的に生じた
体性神経と横隔膜神経の異常を正すことになります。
 

リラクゼーションを。