上部消化器症状9 | 治る力

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鍼灸・マッサージを生業にしている者が思うことを
綴ります。ときに前向きに、ときに後ろ向きに

〇悪心嘔吐+腹痛があったら、まずは消化器疾患を考えます。

代表的なものは次の通りです。

食道炎、食道裂孔ヘルニア、胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌、

慢性胆のう炎、慢性膵炎。

悪心嘔吐+腹痛に発熱を伴ったら、急性疾患の可能性が大です。

速やかに医療検査機関へ。

 

上腹痛+嘔吐+発熱なら、

急性膵炎、急性腹膜炎、胆石。

 
下腹痛+嘔吐+発熱なら、
腎盂炎、子宮外妊娠、卵巣のう腫茎捻転。
 
上部消化器異常では「上腹痛+嘔吐」、
部消化器異常では「腹痛+下痢」で有害物質を排除しようとします。
例外として、腸閉塞は腸が閉塞しているわけですから、上から出そう
とします。急性腸炎は急性胃炎を併発するので悪心嘔吐が出現。
急性虫垂炎の初期は上腹部痛+嘔吐
(発生学的に虫垂は上腹部内臓)。
 
〇嘔吐+頭痛があったら、脳圧亢進を考えます。
脳圧亢進は嘔吐中枢直接刺激となるため、悪心は伴いません。
脳圧亢進を生じる多くは、脳梗塞やクモ膜下出血のため、
片麻痺や激しい頭痛がといった重篤な症状を随伴します。
※脳腫瘍は症状がはっきりしないことが多いようです
 
また、頭痛(筋収縮性頭痛、片頭痛)の程度がひどくても悪心嘔吐を
伴うことがあります。
 
〇悪心嘔吐+めまいなら、メニエール病やその類似疾患の疑いが大。
前庭神経炎、バレリュー症候群、頚肩のこりなど。
 
・メニエール病とは、片側内耳の障害で、回転性のめまいに難聴や
耳鳴りを伴います。内耳を満たしている内リンパ液が過剰になることで
起きると考えられています。原因はストレス、過労、睡眠不足など。
ちなみに、前庭神経炎は前庭神経症状(めまい)だけで、
蝸牛症状(難聴、耳鳴り)はありません。
 
・バレリュー症候群は、
事故のあと椎骨動脈周囲にある神経(後頚部交感神経系)が興奮し、
頭痛、めまい、耳鳴り、眼精疲労、倦怠感、動悸などの症状が出ます。
つまり頚腕症候群+自律神経失調症。
 
悪心も嘔吐もめまいも、バレリュー症候群もつらいですね。
猫は交通事故に会わないように、外出時はふくろに入れられます。