「東洋医学臨床論・はりきゅう編」には、
「悪心嘔吐」以外の項目で、悪心を随伴する可能性のあるものとして、
頭痛、歯痛、月経異常、高血圧症、食欲不振、発疹、
嘔吐を随伴する可能性のあるものとして、頭痛、歯痛、外咳、腹痛、
月経異常、発疹、のそれぞれの項に記載があります。
つまり悪心嘔吐が出現する疾患は多いのですが、主訴であることは
少ないということです。ここでは、悪心嘔吐を、
発熱、腹痛、頭痛があるもの、ないものという分類の仕方で
見ていきます。
悪心嘔吐があって、さらに
腹痛があって発熱があれば → 急性消化器炎症、消化器感染症など
腹痛があって発熱がなければ → 非感染性慢性消化器疾患
腹痛がなくて頭痛があって、さらに意識障害があれば → 脳圧亢進
腹痛がなくて頭痛があるが、意識障害がなければ → 筋収縮性頭痛、片頭痛
腹痛も頭痛もないが、胸痛があれば → 虚血性心疾患
腹痛も頭痛もないが、めまいがあれば → メニエール、バレリュー症候群、肩こり
腹痛も頭痛もないが、無月経なら → 妊娠悪阻
腹痛も頭痛もない → 薬物の服用により、薬物性・中毒性疾患の可能性
※腹痛と頭痛が併発するということも、
可能性としてはないわけではありません。
急性のものはすべて速やかに医療検査機関へ。
パソコンの使いすぎによって吐き気をもよおす
VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群なんてものも
あります。