〇悪心嘔吐
悪心とは吐き気のことで、実際に吐いてしまうのが嘔吐。
どちらも体内に有害物質を入れないために、
生体に備わっている仕組みです。
悪心嘔吐は、嘔吐中枢が直接刺激を受ける中枢性嘔吐と、
神経系を仲介する反射性嘔吐に分類できます。
・中枢性嘔吐(直接刺激)
中枢性嘔吐の原因となるものは、不快な音、臭い、味、
過度な緊張などの精神的なストレスにより大脳皮質が興奮、
嘔吐中枢を刺激し、悪心や嘔吐を引き起こします。
脳腫瘍、髄膜炎、脳出血などの脳の疾患による脳圧の亢進、
また放射線照射・抗がん剤投与により嘔吐中枢が刺激されると
悪心嘔吐が起こります。
・中枢性嘔吐(間接刺激)
脳にある化学受容体CTZを介して嘔吐中枢が刺激されます。
モルヒネやジキタリス(心不全の薬)、ニコチンなどの血中薬物の他、
尿毒症、肝不全、妊娠悪阻といった体内毒物による悪心嘔吐は、
CTZを介します。
※嘔吐中枢は延髄の毛網体というところにあります。
・反射性嘔吐
メニエールや乗り物酔いなどにより
迷路(平衡感覚の主要部)が刺激される、
舌根・咽頭などの機械的刺激、
消化管粘膜などの刺激(自律神経刺激)といったもので起こるのが、
神経系を仲介した反射性嘔吐です。
東洋医学臨床論<はりきゅう編>で調べたところ、
「悪心嘔吐」以外の項目で、悪心を随伴する可能性のあるものとして、
頭痛、歯痛、月経異常、高血圧症、食欲不振、発疹、
嘔吐を随伴する可能性のあるものとして、頭痛、歯痛、外咳、腹痛、
月経異常、発疹、のそれぞれの項に記載があります。
犬はけっこう簡単に吐きます。