上部消化器症状7 | 治る力

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鍼灸・マッサージを生業にしている者が思うことを
綴ります。ときに前向きに、ときに後ろ向きに

〇悪心嘔吐

悪心とは吐き気のことで、実際に吐いてしまうのが嘔吐。

どちらも体内に有害物質を入れないために、

生体に備わっている仕組みです。

 

悪心嘔吐は、嘔吐中枢が直接刺激を受ける中枢性嘔吐と、

神経系を仲介する反射性嘔吐に分類できます。

 

・中枢性嘔吐(直接刺激)

中枢性嘔吐の原因となるものは、不快な音、臭い、味、

過度な緊張などの精神的なストレスにより大脳皮質が興奮、

嘔吐中枢を刺激し、悪心や嘔吐を引き起こします。

 

脳腫瘍、髄膜炎、脳出血などの脳の疾患による脳圧の亢進、

また放射線照射・抗がん剤投与により嘔吐中枢が刺激されると

悪心嘔吐が起こります。

 

中枢性嘔吐(間接刺激)

脳にある化学受容体CTZを介して嘔吐中枢が刺激されます。

モルヒネやジキタリス(心不全の薬)、ニコチンなどの血中薬物の他、

尿毒症、肝不全、妊娠悪阻といった体内毒物による悪心嘔吐は、

CTZを介します。

※嘔吐中枢は延髄の毛網体というところにあります。

 

・反射性嘔吐

メニエールや乗り物酔いなどにより

迷路(平衡感覚の主要部)が刺激される、

舌根・咽頭などの機械的刺激、

消化管粘膜などの刺激(自律神経刺激)といったもので起こるのが、

神経系を仲介した反射性嘔吐です。

 

東洋医学臨床論<はりきゅう編>で調べたところ、

悪心嘔吐」以外の項目で、悪心を随伴する可能性のあるものとして、

頭痛、歯痛、月経異常、高血圧症、食欲不振、発疹、

嘔吐を随伴する可能性のあるものとして、頭痛、歯痛、外咳、腹痛、

月経異常、発疹、のそれぞれの項に記載があります。

 

 

犬はけっこう簡単に吐きます。