私は、アメリカに二十年以上住んでいますが、この国は「ローマ帝国の再来ではないか」と思うことがよくあります。戦争でどんどん覇権を広げていくところも、中東イスラム圏と衝突するところも似ています。(ローマ帝国が滅ぼしたカルタゴに現在の日本がソックリな話を書きましたが…。)国会議事堂など国家に関する建築物も、ローマ帝国時代のデザインか、その前に栄えたギリシャ文明時代の神殿などとほぼ同じなのです。敢えてそれを採用したというのは、そのデザインの背景となる民族や文化や考え方、アイデンティティなどを背負っているか、または継承者として印象付けたい意図があるのではないかと考えられます。全く無関係でありたい文化の象徴を国の中枢には置かないはずだからです。以下は、アメリカ国立資料館。
 
 
以下は、現在もイタリアに現存する古代ローマの神殿です。
 
 
古代ローマは、その前のギリシャの影響を強く受けていますが、パルテノン宮殿のデザインと酷似しています。また、ローマ市内のマルス広場というところに、パンテオン神殿がありますが、その内部は、アメリカの国会議事堂の内部のデザインとそっくりです。リンカーン記念堂も三角の屋根が平たいだけで、柱のデザインは同じです。
 
 
そして、ワシントンDCの国会議事堂の向かい側にあるのが、古代エジプトにあった「オベリスク」。元々、エジプトにあったオベリスクが、なぜアメリカで蘇っているのか? ローマ帝国がエジプトに侵攻した際に、オベリスクは戦利品として頻繁に略奪されたことが記録されています。
 
 
古代オベリスクについて調べてみると、その起源は、「太陽信仰のヘリオポリスのベンベンを模式化したもの」とされていました。「ベンベンとは何ぞや?」とさらに調べたところ、古代エジプトのヘリオポリス創世神話において、原初の水から最初に顔を出し、神が最初に降り立った、「原初の丘」で「世界の始まりの地」とされていました。その話を知ると、ワシントンに「ここに神が降り立った。世界はここから始まる」という様なメッセージを込めてオベリスクが建立されたのではないかとも推測できるのです。
 
 
アメリカは、イギリスからの移民が始めた国です。ローマ帝国は、現在のイギリスであるブリタニアも支配したことがありますから、アメリカは人種的にもローマ帝国の遺伝子を一部引いているということが言えます。
 
アメリカがローマ帝国とつながりがあろうがなかろうが日本人には関係ないとも思えますが、ローマ帝国が滅ぼした古代オリエントのカルタゴという海洋民族でアルファベットの元となる文字を発明したフェニキア人の国が戦後の日本にソックリであるということが、「歴史は繰り返す」ということへの警告に思えてなりません。
 
そして、ローマ帝国に滅ぼされたカルタゴの人々が日本人にソックリであることは、国民がローマの属国のまま平和ボケして軍備を怠ったことだけでなく、国を想うリーダーを売り渡してしまうところまで、ハッとするほどです。古代の日本人と古代フェニキア人は共通して造船技術を持った海洋民族であり、「貝紫」という高度な染色技術を持っており、文字の発明をしたり、杉を用いた建設をしていた点など、極めて似た文化を持っていました。
 
まずは、ローマの属国から脱却しないことには、日本はカルタゴと同じ道を辿ってしまいます。