真実はひとつじゃない
「私があなたを愛した、たくさんの証拠が見つかった。
あなたが私を愛した、たくさんの証拠が見つかった。あなたが裏切っていない証拠だけ、見つけられない。」
わたしが信じるものは、他人になんと言われようが揺るがない。
でも、自分の心のうちに生まれてしまった疑念には蓋ができない。
だからもはやあなたには解きほぐせない。
こんなけがらわしい思いにこの身を焦がす己が哀れだ。
人を信じるということはこれほどまでにリスキーだ。
ぬくぬくと暮らしすぎた。
なによりもまずはわたしの心を守らなければ。
砂上の楼閣
あれだけ語り合ってそばにいて大切に思ってもなお人は自分が一番かわいい。
保身のための嘘。保身のための怒り。
結局はお互い自分のことだけだ。
信用がなくてどうしてこのままいられようか。
おそろしい。足元が崩れ去るかのような虚無感。
デストロイヤー
喧嘩ってほんとむなしい。
わたしの激しい怒りにおののくだけで、なにも事態は好転しない。
わたしはこの激情の正体を知りたい。
自分でも手がつけられない。
なによりも大切にしたいはずの人をなぜここまで痛めつけられるのか。
だけどそれくらい嘘や隠し事が許せない。
気持ちの落としどころがない。
わたしが子供を産んだとして、この激情を子供に向けずにいられるのだろうか。