ハリール・ジブラーン「子どもについて」 | 大川祥代のホッとひといき保健室

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元保健室の先生
公認心理師
正看護師資格保有
元不登校ママ

大好きな言葉に再会した。
娘が不登校の時に出会った言葉。

以前の私は気がつくとすぐ、
自分の思い通りのレールに
子どもたちを乗せたがる母親だった。

弓が親で、矢が子どもなら
射る者とは一体誰なのだろう。

その子の魂が本来持っている、
生きる力なのかもしれない。

親や子を見守る、
大いなる大自然、宇宙、神なのかもしれない。

あの日から
この詩はわたしの大切な指針となった。

これは翻訳家でもあり、
精神科医でもあった神谷美恵子さんの訳😊🌸

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赤ん坊を抱いたひとりの女が言った。
どうぞ子どもたちの話をしてください。
それで彼は言った。

あなたがたの子どもたちは
あなたがたのものではない。
彼らはいのちそのものの
あこがれの息子や娘である。

彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども
あなたがたから生じたものではない、
彼らはあなたがたと共にあるけれども
あなたがたの所有物ではない。

あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、
あなたがたの考えを与えることはできない、
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。

あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが、
彼らの魂を宿すことはできない、
なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでおり、
あなたがたはその家を夢にさえ訪れられないから。

あなたがたは彼らのようになろうと務めうるが、
彼らに自分のようにならせようとしてはならない。
なぜなら命はうしろへ退くことはなく
いつまでも昨日のところに
うろうろ ぐずぐず してはいないのだ。

あなたがたは弓のようなもの、
その弓からあなたがたの子どもたちは
生きた矢のように射られて、前へ放たれる。
射る者は永遠の道の上に的をみさだめて
力いっぱいあなたがたの身をしなわせ
その矢が速く遠くとび行くように力をつくす。

射る者の手によって
身をしなわせられるのをよろこびなさい。
射る者はとび行く矢を愛するのと同じように
じっとしている弓をも愛しているのだから。

ハリール・ジブラーン(Kahlil Gibran) 
詩集「預言者」「子どもについて」引用
「ハリール・ジブラーンの詩」
神谷美恵子・訳(角川文庫)