新国バレエ「アラジン」(後半の舞台) | バレエ・コンサート三昧

バレエ・コンサート三昧

サラリーマンのバレエ・コンサート日記、その他、日々思うこと

新国バレエ「アラジン」(後半の舞台から)

(6/22, 6/23/2024  新国立劇場オペラパレス)


6/22マチネ

アラジン: 奥村康祐

プリンセス: 米沢唯

ジーン: 井澤駿

6/22ソワレ

アラジン: 福田圭吾

プリンセス: 池田理沙子

ジーン: 渡邊峻郁

6/23

アラジン: 福岡雄大

プリンセス: 小野絢子

ジーン: 渡邊峻郁


【指揮】ポール・マーフィー(6月22日ソワレ、23日)、冨田実里(22日13:00)

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


アラジン後半の舞台。

6/22マチネは米沢唯さんと奥村康祐さんのペア。

前回(1週間前)、体調不良で3幕を踊れなかった唯さんだから、今回はきっと特別な思いで臨んだ舞台。

なんと可憐で清らかで品格のあるプリンセスだろう。

流れるような美しい踊りと、愛にあふれた自然な演技。

いつまでも観ていたい極上のプリンセス。

唯さんの踊りを観られる幸せを噛み締めて、いつも以上に深く感動。

PDDは涙がこぼれて止まらない。

産休明け復帰の舞台でタクトを振る冨田実里さんの音楽と一体化して、夢が広がり物語が描かれていく唯さんのプリンセス。


奥村康祐さんのアラジンも素晴らしい。

やんちゃで元気いっぱいのアラジン。

彼はアクティブな役、特に男性の持つ一粒の孤独感、不器用な優しさを表現する踊りがいつも素晴らしい。

キャラクターを描く力に惹き込まれる。

ペトルーシュカをまた観たいなぁ。


6/22ソワレは福田圭吾さんのラストステージ。

圭吾さんの新国の舞台に対する熱い思いと、圭吾さんの最後の舞台を見守る客席の熱気がすごい。

圭吾さんは、ノリノリ、キレキレ、アドリブパワー全開。

素晴らしいラストステージだった。

カーテンコールでステージにシューズを置く圭吾さん。

18年間、本当にお疲れ様でした。

これからも振付等で新国との関わりを持ち続けて頂けたら嬉しい。

池田理沙子さんのプリンセスもチャーミングで丁寧な踊りが素敵。


6/23東京公演千秋楽は、小野絢子さんのプリンセスと福岡雄大さんのアラジン。

安心して観ていられるオリジナルキャスト。

絢子さんの主役デビューが入団2年目の開幕公演で世界初演された2008年11 月の「アラジン」。

雄大さんが初めてアラジンを踊ったのは2011年5月、あの東日本大震災後の公演で多くの人々に勇気と希望を与えてくれた。

このペアだからこそ表現できるアラジンの世界が確かにある。

本物感とでもいうものだろうか。

千秋楽も実に素晴らしかった。


井澤駿さんの威厳のあるジーンも、渡邊峻郁さんの魔力がUPしたジーンも、見応え十分。


主役以外では、木村優里さんのサファイアとルビーが素晴らしくて。

優里さんは舞台に物語を描く力が素晴らしい。

優里さんのプリンセスを観たかったなぁ。


ダイヤモンドの奥田花純さん、山本涼杏さんは、それぞれにさらにパワーアップして、音楽に乗って軽やかに輝くワルツの世界を舞台いっぱいに描ききった。

花純さんも涼杏さんも、それぞれにとても素敵!


今シーズン限りでバレエ団を退団するダンサーの方々の踊りもしっかりと目に焼き付けた。

渡辺与布さんのシルバーやエメラルド、中島春菜さんの砂漠やダイヤモンド、加藤朋子さん、土方萌花さんのサファイアお付き、プリンセスお付き、朝枝尚子さんのシルバーやプリンセスお付き、・・・

寂しいなぁ・・・


新国バレエはこの後、アラジン札幌公演を行なって2023-2024シーズンを終了する予定。

今シーズン限りで退団するダンサーの方々、札幌公演千秋楽まで元気に頑張ってほしい。


ポール・マーフィーさん&冨田実里さん指揮の東京フィルは後半の舞台もゴージャスで美しい響きが素晴らしい。

良い舞台は良い音楽があってこそ。

ブラボー!