東京バレエ団「くるみ割り人形」 | バレエ・コンサート三昧

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東京バレエ団「くるみ割り人形」

(12/21, 22, 23マチネ, 24  東京文化会館)


12月21日(木)19:00

マーシャ:沖 香菜子 
くるみ割り王子:秋元 康臣


12月22日(金)19:00

マーシャ:秋山 瑛
くるみ割り王子:宮川 新大


12月23日(土)12:30

マーシャ:足立 真里亜
くるみ割り王子:大塚 卓


12月24日(日)14:00

マーシャ:金子 仁美
くるみ割り王子:池本 祥真


指揮:フィリップ・エリス 
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
児童合唱:NHK東京児童合唱団


東バのくるみを4回鑑賞。

オーソドックスで温かい雰囲気がいっぱいの東バのくるみ。

子供の役や兵隊・騎兵まで全部ダンサーが演じる舞台。

色彩豊かで華やかな舞台。

ちゃんと終曲で終わるくるみ。

4日間、それぞれ素敵な舞台だった。

(12/23ソワレだけは、初台に行ったので、観られなかった。残念・・・)


初日の舞台は、上皇上皇后両陛下ご臨席の特別な舞台。

しかも、秋元康臣さんの東バダンサーとして最後の主演舞台ということで、特別な雰囲気の中、忘れられない公演になった。

康臣さんの退団はあまりに残念・・・

美しい踊り、キレのあるダイナミックな踊りがとても素晴らしかったのに。

康臣さんのカーテンコール、後ろのダンサーの中に、思いを込めて思いきり手を叩いている人や涙を流している人がいて、その光景に一層ジーンとなってしまった。


天皇皇后両陛下がお見えになったKバレエ眠りの時は2階センターのお席だったけれど、今回は1階後方席。1階席に両陛下が座られるのは珍しいのではないかな。

階段がお辛いからかも。

上皇陛下は12/23で90才になられるとか。そういえば、かつてはこの日が天皇誕生日の祝日だった。

バレエを観劇される両陛下のお元気な姿が見られてとても幸運だった。


いつも女性ダンサーの美しさに目を奪われて男性ダンサーにはあまり目がいかないけれど、この日ばかりは秋元康臣さんの素晴らしいラスト王子を凝視して目に焼き付けた関係上、マーシャの沖香菜子さんの踊りを楽しむ余裕がなかった。


2日目の秋山瑛さんはマーシャにぴったり。

明るくて夢がいっぱいの世界を舞台に描く瑛さんのマーシャ。そのクリスマスの世界に惹き込まれてしまう。

明るくチャーミングなマーシャ、清らかで美しい踊りが素晴らしい瑛さんだけれど、でも、決して可愛らしいだけではなく、ふとした瞬間に、マーシャだって時にはいろいろ考え悩み、寂しさや哀しみを持ってるよ〜というようなことを感じさせる少し成長したマーシャ。

瑛さんのマーシャ、年々成長している。


ひと言書かせて頂くと、あの素晴らしい瑛さんが何故来年GWの白鳥公演にキャスティングされないのか全く理解できない。

どうして?!

水香さんが第一線を退き、香菜子さんが産休の間、一人でプリンシパルの重責を背負い、数々の舞台で称賛を浴び素晴らしい感動を届けてくれた瑛さんなのに〜

ジゼルやバヤデールの様なしっとりとした作品も最高に素晴らしい瑛さん。

ジゼルはオーストラリアでも絶賛されていたし、ニキヤもびっくりするほど深い踊りが素晴らしかったのに。

今回は満を持しての舞台だと思って楽しみにしていた白鳥。

今夏、ゲスト出演で踊ったオディールが素晴らしかっただけに、あまりにも残念。。

監督には監督の深い考えがあるのだろうけれど、私はものすごく瑛さんの白鳥が観たかった。

次回は是非〜


瑛さんが白鳥を踊らないなら、同じ時期に上演する新国のバヤデールにゲスト出演して欲しいくらい・・・

(絶対に実現しないだろうけれど)

それより、瑛さんが白鳥を踊らない理由として、この時期に海外のカンパニーからゲストで呼ばれている可能性はあるかも。


宮川新大さんは温かくて優しい王子。品格のある美しい踊りは盤石。


3日目マチネの足立真里亜さんは、明るくて、とにかくチャーミング。

生き生きとした美しい踊りが目に残る。

でも、可愛らしいだけでなく、どこかに芯の強さを持ったマーシャ。

真里亜さんのマーシャ、年々、明るさと強さを増してる。

踊りも演技も密度が増して、ますます安心して観ていられるようになった。

マーシャも3年目になって余裕が出て来たのだろうなぁ。

カーテンコールの笑顔の輝きも最高だった。

大塚卓さんも美しい踊りに磨きがかかって、王子らしい王子の風格が感じられるようになった。


12/24 クリスマスイブにマーシャを踊った金子仁美さんは、少女の成長を丁寧に表現。

金平糖のPDDも美しかった。

王子の池元祥真さんは、「見せる」踊りが美しい。


主役以外では、雪の踊りの群舞の美しさが夢のよう。

華やかな花ワルも連日素敵だった。

ドロッセルマイヤーの3人はそれぞれに個性を生かして物語を引っ張った。

ロシアは女性も男性もノリノリでカッコいい。連日客席が沸いた。

スペインの中島映理子さん、素敵だったなぁ〜

ピエロ、コロンビーヌ、ウッデンドールはみんなお人形らしさがレベルアップ。

みんな本当に素晴らしい。

個人的には中沢恵理子さんのコロンビーヌが素敵。


注目して応援している若手ダンサー、富田翔子さん、栗芝みなみさん、米澤一葉さんも、それぞれに雪や花ワル、アラビア・コールド、男の子役などで活躍。

彼女達は毎回騎兵or兵隊もやっているから、客間、戦い、雪と、1幕は衣装やメイクを変えるのが大変そう。

翔子さんもみなみさんも一葉さんも、それぞれに1つ1つの舞台で美しさに磨きをかけ、輝きを増している。

これからも注目していきたい。

翔子さんの温かい美しさとチャーミングな輝き、みなみさんの清らかな美しさと可愛らしい笑顔、一葉さんの踊りに対する愛の溢れる美しい踊りと輝く笑顔、・・・それぞれに大きな可能性を感じているダンサー。

これからのますますの活躍が楽しみな若手ダンサーたち。


オケピの東京シティフィルも温かい音色でチャイコフスキーのクリスマス音楽を届けてくれた。

弦は10-8-6-5-4。もう少し厚みがあるともっと良かったなぁ。


12/24公演後、4年ぶりとなるクリスマス・パーティーも楽しかった。

ダンサー全員が参加するパーティーという企画がいい。

他のバレエ団でもやってほしいなぁ。