へうげもの | sabのゆったり茶館

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最近、多忙の合間の癒しとして、今さらながら読みはじめた、へうげもの。



主人公の古田織部という人は、武家の茶人で、織部焼を創始した趣味人、というぐらいの知識しかなかったので、なかなか衝撃的な内容です。


以前にNHKでアニメ化されていて、その時見て、面白い、と思っていたのですが、ひょうげる、という言葉をたまたま調べたのがきっかけで、電子書籍を衝動買い(^.^)。


疲れていると、衝動買いに走りがちです( ̄▽ ̄)。


ま、おもしろいからいいけど。



何がおもしろいって、利休、織部、小堀遠州といった侘び茶大成期の茶人たちに、長谷川等伯や岩佐又兵衛といった画家も登場し、もちろん信長、秀吉、家康など、歴史小説の常連さんも絡みます。


何より安土桃山時代の政治、社会、文化、それに武家、町人という身分と社会の関わり、さらにカネと政治という、あらゆる大河的要素が見え隠れする。



何と言っても、古田織部がこんな素っ頓狂なキャラだったのかという驚き。

加えて侘び茶とは何か、という問題や、安土桃山時代から江戸時代にかけて転換する、豪壮から繊細優美な美意識を、この一見武骨な話から読み取ることも可能です。


ところどころフィクションや想像を交えていますが、史実をかなり忠実に踏まえているようであり、一級のエンターテイメントとしての資質は充分。

(写真はすべて©︎山田芳裕/講談社)
頭巾は何と、本阿弥光悦。左下あくびが、岩佐又兵衛。



いかにも青年マンガ風の、ちょっとアクの強いキャラデザインですが、それもこの戦国末期の世相を表現するのに合っているようにも思います。


ほか、出雲のお国とか、同時代の武士や有名人を巧みに織り交ぜて話が進み、飽きさせません。


山上宗二は壮絶な最期を遂げ、織部も似たような死に方をしたと聞いているので、どうなるのか先が楽しみ。




年度始めの多忙を縫って、こんなことしてる場合やないと思いつつ、逃避してます( ̄▽ ̄)。




(^_^)☆