不屈の男 アンブロークン

不屈の男 アンブロークン

「不屈の男 アンブロークン」の主人公であるルイス・ザンペリーニは「作られた英雄」であり、その実像は,病的な「虚言癖」の持ち主であった事実を検証していきます。

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墜落時7
墜落時7-1
今回は「救命ボートが自動射出だった」というルイスの話です。「B-24パイロット操縦マニュアル」を確認すると「機内と機外の手動のT型ハンドルがあり、それを引くと救命ボートが射出される」という内容が書かれています。したがって「自動射出」という話もルイスの「デタラメ」であるということになります。ルイスザンペリーニという人は「デタラメを得意になってベラベラとしゃべってしまう」病的な虚言癖の持ち主なのです。
墜落時6
墜落時6-1
ルイスは2003年版の自伝の中で「片翼のエンジンを失った場合には、もう片翼のエンジン出力を上げるのではなく、下げると機の傾きを修正できる」と書いています。もっともらしい響きの内容なのですが、これもはやり「見事にデタラメ」なのです。4基のエンジンのうち、左翼の2基エンジン共が停止した場合、生きている右翼エンジン2基の出力を落とせば、高度を保つことができず、海へ堕ちていってしまいます。「パイロット訓練マニュアル」に記されている正しい対処方法は次の通りです。生きている翼側の内側エンジンの出力と回転を若干「上げ」、外側エンジンは逆に若干「抑える」というものです。そうすることにより、機の左側への偏向を修正可能なのです。ルイスザンペリーニという人物は、言うことが「一から十までデタラメ」なのです。デタラメさにおいては「ミスターパーフェクト」と言えるかもしれません。
墜落時5
墜落時5-1
ルイスの自伝とローラのアンブロークンでは「B-24の左翼2基のエンジンが停止して墜落した」と、当然のように書いてあります。しかしながら、通常、4基のエンジンを持つ飛行機であれば、そのうちの2基のエンジンが停止しても、飛行を続けられるような設計になっています。重い爆弾を積んでいれば、高度を維持できない場合もありますが、ルイスの搭乗していたグリーンホーネットは捜索活動中であり、爆弾は一切積んでいない状態でした。したがって、「2基のエンジン停止で墜落」というルイスとローラの話も、あり得ないデタラメ話なのです。
墜落4
墜落4-1
今回もプロペラフェザーについての話です。2003年版ルイスの自伝とアンブロークンでは、航空機関士が、いきなりフェザーボタンを押したことになっています。しかしながら「B-24パイロット訓練マニュアル」を参照すると、上の二番目の絵の通り、フェザーボタンを押すのは正操縦士の役割になっています。航空機関士には、コックピットの外で別の役割があるのです。面白いことに、映画版「アンブロークン」では、若干、ここの描写が「修正」されています。正操縦士と副操縦士は席を交代していませんし、航空機関士も、フェザーの手順を正しく行っているように見えます。映画版の製作スタッフは、ここでのルイスとローラの話が「デタラメ」であることに、気付いていたということになります。(映画でも、間違い、デタラメが満載ですが)
墜落3
墜落時3-1
今回は「航空機関士がいきなりフェザーボタンを押した」というルイスの「デタラメ話」です。プロペラのフェザーというのは、間違ったプロペラをフェザーにした場合、墜落の危険性があるので、非常に慎重に行われる作業です。「B-24パイロット訓練マニュアル」を参照すると、上の2番目の絵のように「危険を回避するための手順」が設けられています。まず、該当エンジンのスロットルレバーを引き戻して、出力を落とします。この際、間違ったプロペラをフェザーにすると、すでに停止しているプロペラに加え、同じ翼の、もう一つのプロペラ出力が落ちるため、飛行方向の偏りが大きくなります。そのため、その時点で、間違いに気づくことができます。ですので、まず、該当エンジンのスロットルを戻して、確認作業を行った上でフェザーボタンを押すという手順が定められています。ルイスの「デタラメ話」においては、航空機関士が「いきなりフェザーボタンを押した」ということになっています。しかしながら、いくら新人航空機関士であっても、搭乗員11名の中で、機体のメカニズムに一番詳しいのが航空機関士なのです。ルイスの話は、あり得ないと言ってよいでしょう。ちなみに、1956年版のルイス自伝では、航空機関士がフェザーにする前に2番エンジンが停止したという話になっています。「航空機関士のミス」という話になったのは、2003年版のルイス自伝からです。どこまでもいい加減な話なのです。
墜落2
墜落2-1
2003年版のルイス自伝とアンブロークンの中では「飛行中、正操縦士と副操縦士が席を交代した」ということになっています。これは1956年版の自伝の中には無かった話です。ルイスとローラは、その理由として「副操縦士が正操縦時としての経験を積むため」としています。しかしながら、B-24のコックピットというのは「並列複座式」であるため、正操縦士席、副操縦士席のどちらでも操縦できるようになっています。したがって、飛行中に席を交代しても意味がないのです。副操縦士が正操縦士としての経験を積むということであれば、「離陸、着陸を含めた、任務全体を通しての役割の交代」でなければ、意味がないのです。ということは、やはり、この話もルイスとローラのデタラメということになります。
墜落時1
墜落時1-1
ルイスの虚言癖が良く表れているのが「墜落時の状況」についてのルイスの話です。米軍爆撃機B-24については、調べれば「ルイスの話が本当かどうか」を確認ができるので、ひとつひとつ確認していきましょう。まず、「グリーンホーネットはジャンク機だった」というルイスの話の真偽です。文林堂「世界傑作機B-24リベレーター」を調べてみると、B-24Dの出荷日は、サンディエゴ工場では1942年5月から。タルサ工場では同年7月から。となっています。ルイスの乗っていたB-24D「グリーンホーネット」の墜落日は1943年5月27日です。計算すると、「グリーンホーネット」は「出荷後1年未満」の「新しい機体」であったことが確認できます。したがって「ジャンク機だった」というルイスの話は、全くの「デタラメ」であることがわかります。
悪口3
ルイスは、墜落の際に命を落とした戦友、航空機関士についての悪口も言っています。1956年版の自伝ではエンジン不調のみを墜落直接の原因としているのですが、2003年版の自伝では、「青二才の航空機関士が、気負って間違ったフェザーボタンを押し、2番エンジンが停止し、墜落した」という話に変わってしまっています。これも「明白なデタラメ」です。まず、フェザーボタンを押すのは、航空機関士の役割ではなく、正操縦士の役割です。また、フェザーボタンを押す前に、該当エンジンのスロットルレバーを戻すプロセスがあるため、「いきなり、フェザーボタンを押す」ということはありません。そもそも、航空機関士には、プロペラをフェザーにする際には「コックピット外で、他の役割」があります。そして、何よりも、経験不足とはいえ、その爆撃機の技術的な事に関しては、搭乗員11人の中で、航空機関士が一番詳しいのです。「フェザーボタンを間違って押す」という行為に関しては、「一番あり得ない搭乗員」こそが、航空機関士なのです。ルイスの話を精査すると、何ひとつ「事実と確認できることがない」のです。
悪口2
漂流中に亡くなったマクナマラについての悪口は、まだ、あります。漂流最初の晩に、マクナマラが、全員分の救命糧食であるチョコレートを、コッソリ、全て食べてしまったというのです。このルイスの話は、1998年のTVインタビューから、突然、出て来た話です。1956年版の自伝の中では、最初の晩、一部のチョコレートを全員に分け与え、残ったチョコは「波にさらわれた」と書いています。このように、ルイスの話はコロコロ変わるので、とても信用できないのです。
悪口1
ルイスは「仲間」についての「作り話」もしています。漂流中に亡くなってしまった後部射撃手マクナマラについてです。ルイスの話によれば、マクナマラが「俺たちは死ぬんだ。俺たちは皆死ぬんだ」と叫ぶので「殴って黙らせた」ということになっています。これは、1956年版の自伝では語られておらず、2003年版の自伝で、突然、出てくる内容です。ルイスの話ですので、ほぼ作り話です。ただ、百歩譲ってそれが事実だったとしても、「先に亡くなった戦友」の名誉を傷つけるような話をするでしょうか?このような話を平気でするルイスという人物は、「見下げ果てた男」と言わざるを得ません。