「・・・・・」


椛が見えなくなるまで姿を見つめていた


あのね、椛


あたし・・・椛を―――



「・・・美咲チャン」


グリーンと紺色のチェックのズボン


少しはねた髪の毛


輝きを失ったような悲しい目


―――・・・


「・・・優翔・・・」


―――ダマシテルンダ


「・・・椛は?」


ふわりと笑いかけながらアタシに近寄る彼女の大切なアナタ


「優翔を見つけたらしく飛び出していったよ」


「・・・そっか・・・」


「ねぇ・・・


いつまで嘘つくつもり?」


「・・・」


椛・・・


ほんとはね


優翔はね・・・


優翔は・・・








―――死んでなんかいない






さて、聞かせてあげましょう?


アノオハナシヲ



チャイムが鳴り響く


無意識のうちに走り出す私


吉田の叫ぶ声


―――そんなことどうでもいい


アナタニアイタイ


「――椛!!! 



あたしに任せて!!」


振り返るとみーちゃんがガッツポーズをして立っていた


(ありがとう)


心の中で叫んだ


廊下を自分でも驚くほどのスピードで走り抜け、


階段を飛び下りた


足首に多少の痛みを感じた


(着地のとき足でもひねった・・・?)



(――・・・でも)


そんなことを気にしてられない


今は、君に向かって走るだけ。

君が好きでした


大好きでした


だから



今までありがとう


ばぃばぃ。



―――――――――――――――

季節は春


まだ寒いけど


先生が前で話してるー


・・・どうでもいいや


外はまだ雪が残り


日が差し込む教室


一歩廊下へと踏み出すと


そこは・・・


君とつながる道


「・・・さぼり?」


「うん」


「寒くないの?」


「寒くない」


「教室はいれば?」


「いい」


「なんで?」


「なんでもいいじゃん」


そんな彼に私は質問を浴びせる


呆れた顔で笑う君の笑顔は


私が好きな顔ってこと知ってる?


ねぇ、


好きでした。


≪2へ続く≫



歩み始めて気づいた


―――優翔のケータイ


気づいて振り返った頃にはもう、居なかった


***********


聞きなれたいつもどおりのチャイム


「おはようっ」


笑顔で私に駆け寄る親友


「おはようみーちゃん」


「今日遅かったね、くるの」


「あー・・・うん」


「まぁいいけど」


いつもと同じ雑談


でも、そばに君がいない


それがやけに寂しくて、苦しかった


しばらくすると担任の吉田が入ってきて長ったらしい話を始めた


ミサキと小声で「うざいね」なんていって


吉田の話が終わったのは10分後だった


「疲れたー!!!まったく吉田の野郎話が長すぎだっつーの!!」


「はは(笑)」


ふと視線を窓の外にやると


「・・・え




優翔?」


ナゼアナタガ

「そっか―――


優翔は幸せだな」


「・・・もう過去の話でしょ?」


ふわりと笑って問いかけた


「・・・え?」


「え?」


「いやっ!なんでもない!!」


「・・・そう」


何言ってるの?


もう優翔は


―――――シンダンダヨ


「あー・・・じゃあオレ学校遅れるから行くわ」


「え・・・!!あ!私も・・・」


「それじゃあ・・・」


「うん」


一歩歩きだしたそのとき


「―――また会えるよな」


「・・・え」


「・・・てか、また会おうな」


「・・・うん・・・・」


照れたように笑って歩み出したアナタ


ねぇ・・・


あなたはなぜ私の前に


アラワレタノ?



―――――私はまだその意味を知らない

「あの・・・なんであなたが持ってるの・・・?それ・・・」


長い沈黙を破ったのは私だった


「それ?ああ!ケータイ?」


「それ優翔のだよね・・・?」


「・・・ああ」


颯真は少し悲しそうな目をした


「どうして・・・?」


「・・・優翔に言われたんだ。持ってろって」


「・・・え」


「優翔のこと好きか?」


「きゅ・・・急に何言って・・・!!」


顔が赤まる


「・・・好き」


正直なキモチ―――

「・・・え」


優翔のケータイ


なぜ・・・


「・・・あなたが持ってるの・・・?」



「―――え?」


「え?」


もしかして、聞こえた?


「あ!もしかして優翔の彼女?」


「え?」


なぜあなたがそんなこと知ってるの?


「俺、優翔の幼なじみ。颯真って呼んでよ」


幼なじみ


「私・・・椛」


――――――――――風が二人の間にそっと吹いた

コーヒーの香り漂う一階


朝って感じだな・・・


トーストにサラダ、コーヒーを早々と間食した私はケータイを片手に家を出た


生ぬるい風が頬を伝う


私はケータイでメールを開いた


「優翔・・・どういう意味・・・?」


足取りが重い


天気はいい、でも――――


目の前がくすんで見えるよ・・・優翔・・・


その時だった


♪~♪~


「この音・・・」


聞きなれた着信音


聞こえたのは・・・後方・・・


振り返る


私の視線の先


立っていたのは


優翔の携帯を持った


知らない少年だった



―――――――――――ダレ

あなたは誰ですか?


―――――ガチャ・・・


「椛、起きてるの?」


「うん」


「なんだ。起きてるなら言ってくれればいいのに」


カーテンを開けるとまぶしい光が部屋に差し込んだ


「起きてるなら早くご飯食べちゃて!!」


「はーい」


―――――ガチャ・・・


朝・・・か・・・


閉じられたケータイを見た


「・・・・・」


頭が痛い


考えすぎだ・・・


制服に着替えて下に降りた


ああ・・・


朝だ



はじめまして


こうして自己紹介するのは初めてかもしれません


いや、初めてでしょう


初めまして、私は中学生の女子、上莉と申します


小説を書くのが好きで、一見内気なのかな、と思う人もいるかもしれませんが、まったく内気ではありません。


おもしろいことも大好きです


話しかけていただければ話に食いついていくので、話しかけてみてください←


では、また。