やばい…

足に力が入んないや…

「おい…っ!」

颯真はその場に崩れた私の腕を掴んでなんとか私をたたせた

「無理すんな」

……馬鹿…

颯真の馬鹿…っ

そんな事言われたら私…っ


「お…おい!?」

「…え?」

気がつくと目から涙が溢れていた

「………っ」

「ごめ……大丈夫だから…」


「……だよ」

「え…?」

「…どこが大丈夫だよ!?」


「―――」


「もう、無理すんなよ・・・」


「・・・っ!!」


颯真・・・


「そうまぁ・・・」


――ふわり


温かい何かに包まれた


「・・・ごめん」


そう優翔に告げられたのは2時間前の話で


でも私にはもっと時間が経ったような気がした


あの後美咲は


泣きながら私に謝った


何度も何度も


あんな美咲の姿は見たことはなくて


今でも脳裏に焼き付いてる


今の私には自分がどこにいるのかわからなくて


ただ―――


颯真が隣にいることだけ理解している


長い沈黙を打ち破るように颯真は言った


「・・・ごめん」


「・・・なんで颯真が謝るの?」


「―――」


「それに私、別に気にしていないから」


「は?」


「もう、気にしてないの」


「何言ってんの!?」


「―――」


「せめていいんでぜ!?俺のことも・・・優翔も美咲も!!」


「――もう言わないで!!!」


「・・・っ!」


「もう・・・言わないで・・・」


そう言って私は崩れた

・・・泣いている椛


そりゃそうだよな・・・


だいすきだった彼と


支えてくれた友達に


裏切られたんだ



「・・・・・・」


しばらく椛のことを見ていたが


その姿がものすごく哀れで・・・


悲しくて・・・・


なによりも


自分が情けなかった



たぶんこれは


優翔の最後の優しさ


あいつはそういうやつだから



「・・・颯真」


「・・・ん」


「ちょっと来い」


優翔と俺は椛のいる場所の50メートル先、


体育館裏に回った


「お前・・・なんで・・・」


「何が」


「なんで椛に言っちゃったんだよ!!!!」


なんでこいつがキレてるんだ?


キレていいのは椛だけだろ?


こいつ・・・


「お前の優しさは本当の優しさじゃない・・・」


「あ?」


「それが!!椛にとって本当の幸せじゃない!!


お前が・・・!


お前がっいなきゃ


椛は幸せじゃないんだよ!!!」


酸素が足りない


くらくらする


久々に大声を出した


「・・・なんでお前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ!!」


「――――」


「わかってるよ!!」


「・・・」


「そんなの俺が一番わかってる・・・!!」


「優翔・・・」


「俺が・・・一番わかってたはずなのに・・・・・・」


「・・・」


「椛・・・ごめん・・・」


そう言って静かに泣いた優翔の顔を鮮明に覚えている





しばらくして、美咲も来た


「美咲ちゃ・・・っ!」


「椛・・・ごめん・・・」


彼女に抱き着こうとしたら


なぜか謝られた


なんで?


「・・・わたし・・・っ・・・


知ってたの・・・っ!!!


優翔・・・生きてるって・・・!」



「・・・え」


「椛のこと・・・ずっと・・・ずっとずっとずーっと・・・!!


騙してたのよ・・っ!」


息を切らしながら言う彼女


彼女の目からはもう涙があふれてた


「みさ・・・き・・・」


なんで・・・


わたしはなんで



大切な2人に裏切れなきゃならないの・・・?


「夢だよ・・・これは・・・・夢だ・・・」


「椛・・・っ!!」


「夢だ・・・!夢だ夢だ夢だ夢だぁああああああ・・・・!!!!!」


「も・・・みじ・・・っ!」


「美咲・・・ぃ・・・夢だって言ってよ・・・」


じゃなきゃ私・・・



「夢じゃ・・・ない・・・」








ああ、


私が崩れてく

わかんない


わかんない


わかんない


わかんない


ワカンナイ



夢であってほしいと願うけど


頬に触れる冷たい風が現実だということを示す


「―――・・・私・・・騙されてたのかなぁ・・・」


「・・・・・」


なんか言ってよ


私に教えてくれたのは、あなたでしょう?


涙ぐむ目で彼を見つめた


「・・・っ!!!」


キモチが高ぶった私は彼の胸ぐらをつかんでいた


「なんか・・・っ言いなさい・・・よっっ!!!」


「・・・」


「ねぇ・・・っ!」


「・・・」


「ねぇってばぁ・・・!!!」


涙があふれた時だった



「―――――」


「椛」


嘘だ


ねぇ、なんで出てきてしまうの


「なん・・・で・・・」


「椛・・・」


「なんっで・・・!!!」









悲しみが


怒りに



カワル

「今の悲鳴・・・もしかして・・・椛!?」


美咲チャンが校舎の窓に駆け寄って悲鳴の聞こえた方向を見た


「―――――!?」


「美咲チャン?どうした?」


「―――・・・なんで・・・なんで・・・」


「?」


「なんでそうちゃんが!?」


「はっっ!?」


窓に駆け寄って外を見てみると


「・・・マジかよ」


ケータイを片手に悲しい顔をしている颯真に


泣き叫ぶ椛の姿


「―――っ」


知ってしまった


椛は全てを知ってしまった・・・


「くそっ!アイツ・・・」


「優翔・・・!どうしよ・・・」


椛・・・


「・・・美咲チャン・・・



オレ、もう全部話すよ」



「・・・なんで?」


「さぼり?」


「・・・あ・・・」


「まぁ、俺もだけど」


「って、この学校なの!?」


「ひどいなぁー・・・俺7組なんだけど」


「7組・・・理系?」


「うん」


「・・・じゃあ知らない。私文系だから」


「・・・はっきり言うねw」


「遠まわしに言うのすきじゃないから」


「ふーん・・・」


「んで?何を悩んでるの?」


「・・・」


「ねぇ」


「関係ないじゃん」


「どーせ優翔だろ?」


「・・・」


「正解。だろ?」


「もう・・・」


「は?」


「もう疲れちゃった」


「なにが?」


「優翔探すの・・・」


「は?」


「優翔・・・死んじゃってから・・・わたし・・・っ」


「お前何言ってんの?」


「え・・・?」


「優翔は・・・




















死んでないけど?」


「―――――――・・・」


何を言ってるの?


この人は


優翔は死んだんだよ?


ねぇ?


冗談でしょう?


「やめてよーもう―――」


「――嘘じゃない」


「・・・」


「ほら」


そういって見せてくれた彼のケータイには


「・・・昨日?」


昨日の日付が表示されていて


その下には・・・



  颯真、また明日


  宿題見せろよ



‐‐‐‐‐‐END‐‐‐‐‐‐‐」




「これはうそじゃない、事実だよ」




「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


私の悲鳴が


敷地内全体に響いた


それをみた颯真の顔は


悲しい顔をしていた

「・・・いない」


あれは見間違えだった・・・んだよね・・・


「優翔・・・」


いないんだよ、もう


イナインダヨ


わかってるよ。わかってる。


何回も繰り返したよ。


信じたくない


事実


受け入れたくない


真実


このまま現実逃避でもしてしまおうか?


この世界から逃げ出して、


もういいでしょう?


これ以上苦しみたくないの


忘れたい


忘れない


忘れたい


忘れない


自問自答を繰り返した果て、私が出した答えは・・・


「・・・なんだったけ・・・」


頭の中が混乱してる


ああ


もう


「もういっそ、消えてしまおうか」


疲れたよ。


抜け出したいよ


この世界から


「それでいいの?」


ふと振り返ったさき


目の前にいたのは・・・


「颯真・・・」


アナタは何者?

紅の世界に染まった後


少年は自分のせいだと責め、自分を追い込みました。


彼の目から希望が消え、やがて悲しみに染まりました。


少女は前の記憶を失いました


記憶消失。


そして彼は彼女の友達にこう、言いました。


「あいつの記憶に俺は残ってはいけない。だから、あいつの記憶が戻ったら、俺は







――――――消えたと言ってくれ」


そういわれた少女は反対しましたが


やがて、うなずきました


そして


「それならば、二度と彼女の前に現れるな」


と言いました


契約を交わした2人の人間は


その後何もなかったかのように、


彼女をだまし続けました。


彼女は、その人間たちのおかげで


残酷な道を歩み始めてしまったのです。


――――――――


「もう、言おうよ・・・。アタシ、あの子の姿を見ているのが苦しい・・・っ」


「決めたのは美咲チャンじゃん・・・」


「だけど・・・っ」


「俺のせいなんだよ?」


――――・・・椛


ごめんね


アタシのせいなんだよ


アタシは椛の友達でいていいのかわかんないよ







あれは、あるよく晴れた日の話


1人の少女と1人の少年


手をつないで二人笑顔で歩いておりました


ふと少年は何かを見つけ、


少女の手を放し


一人どこかへ行ってしまいました


少女は夢見心地で少年を待っていました


やがて数分経つと少年は少女の約10m先にいて


少女にふわりと笑いかけ、


こういいました。


「椛!!」


手招きをした少年のもとに向かう少女はとてもうれしそうな笑顔でした


その瞬間でした


1台のトラック


点滅し始めた信号


少年の叫ぶ声


・・・・・・・・


鈍い音が響いたと思うと


あたりは紅の世界でありました