「・・・・・・・え?」


どういう意味?


ねぇ


ネェ


夢なの?現実なの?


ああ、わからない



「誰なの・・・?じゃあ・・・・」


誰かのいたずら?


誰?


あなたは・・・


ダレ?


気になって、気になって、気になって・・・


気づいたら


‶あなたは誰?″


なんて打っていた


送信ボタンを押そうとしたその時


「椛、起きなさい!朝よ!」


母の呼ぶ声に夢の中にいるような感覚から目覚めることができた


ねぇ・・・


あなたは誰ですか?

―――Dera椛


椛、元気?


ねぇ、泣かないで?


僕は椛の笑顔が好きなんだから


椛、大好きだよ


だから、


もう僕なんかのために悩まないで


前へ進んで


From優翔



「・・・・・・」


ああ、優翔・・・・


「優翔ぉ・・・・っ」


誰よりも大好きだった


毎日が幸せだった・・・


「前へ・・・?」


マエヘ


マエヘ・・・ススム?


「優翔・・・」


ああ、優翔は何でもわかってるんだなぁ・・・


やっぱりすごいや・・・


「―――でも・・・」


なんでいなくなってしまった優翔からのメールが・・・?


「・・・そうだ」


返信画面を開いて文字を打った


‶あなたは優翔ですか?″


「・・・」


送信ボタンを押そうとした


―――――その時だった


画面に表示された文字は『受信完了』


「・・・え?」


そっと開いてみると

























‶―――――優翔はもう、いない″



朝が、来た




優翔・・・優翔?


確かにディスプレイに映し出された名前は優翔


「優翔・・・?」


今すぐ開いてメールを確認したかった


―――でも・・・


「怖い・・・っ」


怖い、怖い


なんて書いてあるの?


もし、優翔が私を恨んでいたら・・・


悪い想像だけが頭に浮かんでは消えて・・・浮かんでは消えて・・・・


ああ・・・


私は本当に弱いな・・・


優翔からのメールをひらけないなんて


でも・・・


なんでいないはずの優翔からメールが・・・?


「・・・見よう」


ボタンの一つ一つを確認するかのようにしてメールを開いた


「・・・優翔だ・・・」


Daer椛―――





「・・・優翔」


メールフォルダの画面を開いて閉じて開いて閉じてを繰り返した


「ねぇ・・・優翔・・・私・・・わかんないよ」


本当は自分が一番わかっているんだ


メールを消した方がいい、って・・・


でも―――


「消せないよ・・・」


思っているけどできない・・・


その時―――


「・・・!」


メールが届いた


「誰?」


開いてみると―――――


「え・・・・・・

























優翔・・・?」



――――― 夢か現実か

「―――――椛」


・・・誰?私の名前を呼ぶのは


「―――――もう・・・僕のことは忘れて」


優翔・・・?優翔なの・・・?


「―――――椛、もう、忘れて、強くなって」


嫌だよ!優翔!ねぇっ・・・


「優翔っっっっっ!!!!!」


・・・・・


「あ・・・夢・・・か・・・・」


自分の声で目が覚めた


時計を見てみると時刻はまだ5時前


ケータイで優翔から来たメールファイルを開いた


「優翔・・・」


夢のなかでいっていたことが本当であれば


優翔はもう、忘れて欲しいのかもしれない


でも・・・―――――


「優翔・・・ごめん」


忘れることなんて・・・出来ないよ・・・


上をむいて涙があふれそうになるのを抑えた


私は・・・


どうすればいいの?


誰か、私に答えをください


「・・・ありがとう、美咲。もう・・・平気」


「・・・無理しないでね・・・っ?」


「うん・・・」


泣いたのなんて・・・久しぶり・・・


優翔がいなくなってから、泣くの・・・我慢してたし・・・


「あぁ!!クレープゥ・・・」


気づいたらクレープは溶けきってもう食べ物と呼べる状態じゃなかった


「また買えばいいよ」


「椛・・・」


よくわからないものに化してしまったクレープをゴミ箱に放り投げた


「あー・・・もったいないことしちゃったね・・・」


「椛がなくのがいけないんだよ?」


「・・・ごめん」


「うっそー!!もういいですっ!だから、気にしないで?ねっ?」


「・・・美咲・・・っ」


美咲が友達でよかった・・・


「美咲・・・」


「ん?」


「・・・ありがとう!」


「・・・なにぃ?いきなりっ!」


照れた様子の彼女にもう1度伝えた


「―――――ありがとう」


心から、感謝します


君が支えてくれることを

「待ってよ、椛」


息を切らして美咲が駆け寄ってきた


「私そんな早く歩いてないよね」


「歩いてたよ、秒速5キロぐらい」


「嘘つけ」


「うん、嘘」


彼女の手には可愛い包装紙に包まったうさぎのキーホルダーが顔をのぞかせていた


「そっちにしたんだ、結局」


「うん。すごく迷ったけど」


美咲はクレープのワゴンを見つけると舞い上がった声で話しかけてきた


「椛、クレープ食べよ・・・あ・・・」


「いいよ、食べよう。私、チョコバナナ」


「え・・・もう・・・平気なの?食べて」


「平気よ。もう・・・大丈夫」


クレープ・・・


優翔と最後に食べたもの


本当は食べたくなんてなかった


前へ進み始めようとしている今、進めなくなりそうだから・・・


「ねぇ、椛。無理しないで、今日はやめよう?」


「美咲、いいよ」


「でも・・・っ」


「美咲買ってこないなら私、買ってくる」


「ちょっ・・・!!椛!」


パステルカラーのエプロンを身に着けたお姉さんにチョコバナナを2つ注文した


・・・なつかしいな


優翔といっしょにチョコバナナかって・・・


笑いあいながら食べて・・・


「おまたせしましたぁ・・・お・・・お客様!?」


「・・・え?」


私の目から涙があふれていた


大丈夫ですか?と優しく声をかけてくれるお姉さんに大丈夫だと伝えてクレープを受け取った


美咲のもとに作り笑いを浮かべながら駆け寄った


「おまたせ!はい!チョコバナ―――」


「だからいったのに・・・」


そういって彼女は私を抱きしめた


「椛・・・もう・・・無理して笑わないで・・・!優翔のこと・・・忘れようとしなくていいから…っ!!!」


彼女は泣いていた


「・・・み・・・さき・・・」


その、彼女の優しい言葉に私は泣いてしまった


生クリームが溶けはじめようとしていた―――――

「椛」


君は柔らかい声で私の名前を呼んだ


振り返ると優しく微笑んだ君がいた


「優翔」


私も名前を呼んだ


二人手をつないで笑いあいながら歩いた


季節は冬


きらびやかなイルミネーションが私たちを包んだ


「きれいだね」


二人上を見上げてイルミネーションを見つめた


人ごみの中、つないだ手と手は離れることはなかった


ねぇ、優翔?


聞こえてるでしょ?


返事ぐらいしてよ


ねぇ・・・


私――――――


君がいなくなった今、どうすればいいっていうの?


教えてよ、優翔


目の前が真っ暗でいつまでも出口が見えない迷路を1人、さまよっている感じがした

ファンシーショップの店内は人であふれかえっていた


「ねぇ、椛!どっちがいいかな!」


椛、私の名前である


私の目の前でうさぎのキーホルダーを2つ持って悩んでいるのは親友の美咲だ


「どっちでもいいんじゃない?かわいいから」


「えー・・・どっちもかわいいから悩んでるのにぃ・・・」


じゃあ私に聞かないで、なんて思いながら彼女のそばを離れて店内を歩きだした


「あ、椛!どこいくの!ねぇ!待ってってば!」


振り向くのもなんだかめんどくさかったのでそのまま歩き続けた


人ごみとか、嫌い


だって―――


思い出してしまうから、君との記憶



雲ひとつない空はどこか色あせて見えた


きみと手をつないでみたそらはあんなにも輝いていたはずなのに


「――好き」


小さく、呟いた