金属、自動車部品、機械の錆対策に使用する業務用除湿剤

工場、物流倉庫などの大きなスペースにおいて、主に環境因子による錆対策といえば空調機器の使用が前提となります。

鉄鋼の防食（防錆）では、相対湿度55％以下とすれば結露発生など水の凝縮が防げますが、充分とはいえない空調設備であるとか、また、操業のない長期休暇および夜間には空調を止めることもあります。

鉄鋼、金属部品における防錆対策として油にインヒビター（腐食抑制剤）を加えた防錆油、密閉空間での気化性防錆剤のほか、防錆紙、防錆フィルムなどがありますが、ここでは持続的に調湿するシリカゲルを使用したファインドライGをご紹介します。

当該品は結露の生じるような高い湿度時に最大の効果を発揮するシリカゲルB型を使用、並列加工により一面に塗布して表面積を拡げる独自製法により、同じ分量を袋に入れた場合と比較して、９６時間で約8％ほど吸湿量が多いという公的試験のデータもあります。（広島市工業技術センター　試験番号2209）

この素早い反応性により工場、倉庫では金属部品を入れた樹脂製コンテナやカゴ台車にも常用され、錆、結露防止、品質劣化の対策品として使用されています。

また、天日や乾燥機を用いてこれまでに取り込んだ水分（湿気）を取り除けば、まるで干した雑巾を繰り返し使うように効率の良い乾燥剤として使用できます。

このシリカゲルの吸湿具合を目視できるため、再生サインが配置されています。

こちら使用開始時は青色ですが、湿度70％を上回ればピンク色に変色します。また、可逆性であるため、湿度が70％よりも下がれば自然に元の青色に戻ります。

尚、当該品は強制的に乾燥させなければ全く除湿しないという訳ではありません。

シリカゲルB型は水蒸気の分子サイズに設計された無数の孔（すきま）を持ち、その孔内部の水蒸気量と周囲の水蒸気量が平衡するように、いつでも呼吸している状態にあります。

そのため、仮に再生サインがピンク色（関係湿度70％以上）を示していても、湿度が更に上昇し続ける場合では、結露が生じる湿度100％まで吸湿を続けて結露を抑える働きをします。

次にファインドライGの片側にあたる非吸湿面は、断熱および緩衝材（クッション材）です。

そこを指で押すと底に着いた感じがしないほどの弾力性を持ち、また、折り曲げると弓のように反発する剛性さにより、商品を万が一の衝撃から守ります。

そのため自動車部品、機械部品、精密機器、配電盤等の製造、保管現場にもよく使われます。

また、断熱性においては木材や住宅用断熱材（グラスウール）よりも優れるため、部分的に冷えやすく、また結露が生じやすいエアコン吹き出し口付近や冷蔵、冷凍設備周辺にも使用されています。

ファインドライGは、軽量、薄型を特長として除湿、断熱、緩衝の３つの機能を合わせ持つ、新しいタイプの業務用除湿剤です。