海上コンテナの荷主となる場合、荷物が送り先に到着するまでの間に新たな問題が生じないないか、心配の尽きないところであります。
運行の遅れや海運事故については、危険度に応じて海上保険を掛けることでリスクを管理します。
次に来る心配が積荷の品質維持で錆、かび、汚染等のリスクが想定される場合であれば、湿気・結露対策が必要となります。
海上コンテナは海の上を移動するため、大量の水蒸気に晒されます。
水蒸気(湿気)は酸素、窒素よりも粒子サイズが小さいため、コンテナにすきまさえあれば侵入します。
水蒸気は量の多いところから、少ないところに移動するため、海上輸送および海上停泊中であれば、コンテナ内は水蒸気の入りやすい環境にあるといえます。
以下、赤道直下の国で世界第二位のコンテナ扱い量を誇るシンガポールの気象条件です。
平均気温 27 ℃ (東京 16.8℃)
年間平均湿度 84% (東京 65%)
年間降水量 2330ml (東京 1530ml)
シンガポールは年間平均で約180日も雨が降り、その都度、湿度はほぼ100%になります。
因みに気温が高くなればなるほど、湿度100%時の湿気の絶対量は多くなります。
東南アジア向けおよび、東南アジアから日本に向けるコンテナ輸送であれば、尚更、環境面は考慮に入れる必要があるようです。
また、湿度が高ければ、わずかな温度低下により結露が生じます。
コンテナであれば、結露は天面、壁面に発生しやすく、生じた際にはダンボール等を著しく汚染します。
また、ポリフィルムにより梱包された機械、金属製品でも、庫内が高湿度状態であれば水蒸気の侵入により、結露が発生しやすくなります。
空気中の水蒸気が飽和温度以下の物体に触れると水に変わり、水滴が付着した状態が結露現象です。
海上コンテナを覆う鉄板は熱伝導率が高く、木やプラスティックの約100倍も熱を伝えやすい素材となります。
日中の温度上昇時であれば問題ありませんが、夜間、気温が下がりはじめると同時に鉄の温度も冷えるため、結露が生じやすくなります。
尚、コンテナ内に付着した結露水は、日中の温度上昇により再び蒸発して水蒸気となるため、対策を取らなければ暫くの間、そのまま庫内で循環することとなります。
これらの対処法としては、断熱用シートを貼り付けるか、結露および湿気対策として業務用除湿剤・乾燥剤を設置、コンテナ内および梱包内の水蒸気量(湿気)を吸湿し続けていく方法があります。
赤道直下 シンガポール
機械、金属部品梱包の様子
木枠梱包
コンテナ内 結露対策
産業用除湿剤ファインドライB-1200
20フィートコンテナ 8本から12本
産業用除湿剤 業務用乾燥剤
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