南信州1泊(2023年9月15日)旅行備忘録。
山小屋mökkiでの滞在にあたり、やりかけの刺繍を持って行こうかなと考えていたが、特に計画せず、そこにある物、その時に出来る事をしようと思い直した。ただ、お口が寂しくならぬよう、前日にブラウニーだけ焼いて持って行った。
山小屋のミニ冷蔵庫内にコーヒー豆があり、好きに飲んでOKとのこと、早速ヴィンテージなミルで挽いて淹れることに。
BGMは置いてあったBluetoothラジオスピーカーから流れるローカル番組。これが案外しっくりとする。(コーヒー淹れている時は、髭男のChessboard が流れ、一気にエモくなる。)
森の小屋でコーヒーを淹れるという行為自体が安らぎをもたらす(淹れたのはにぃさんだけど)。
そして、コーヒーのお供のブラウニーを、、、食べ忘れた。
外の空気を吸うため小屋を出て、まずブランコに乗る。周辺を散歩し、小屋に入る前にまた乗る。何度乗ったことか。
今年はどこも暑いようで、標高1000mあたりでも午後3時頃は25~26℃くらいだった。
少し散歩するとうっすら汗ばむが、小屋裏の庭でハーブに触れたり、その奥にある谷川に降りれば涼しかった。
通り雨もあり、徐々に涼しくなって過ごしやすかった。
散歩から帰り、ラジオをFMに合わせるとオペラが流れてくる。
聴いていると、室内の家具や雑貨、窓の外の風景が、また抒情的に見えてくる。
ヨーロッパのどこかの教会にあったであろう椅子に座れば、なんか色々と懺悔したくなる。
暖炉は燃えてないけど、シチューを温めたり、猫達を撫でながら座る自分を妄想しまくる。
オーナーがこれまでに集めてきた家具や道具。扉が開けにくかったり、ライトが傾いていたりするけれど、どれも手入れされ、ちゃんと仕事している。
山小屋にネット接続環境はなく、携帯キャリアの電波は微弱なので、ほぼネットから切り離された時間、それが良い。
時折、屋根に「バコン!」と何かが落ちる音がする。結構大きな音だが、どんぐりとかの木の実なのだろう。
山小屋に関連した本や雑誌が置いてある中「大草原の小さな家~ローラのふるさとを訪ねて」という本を見つけた。
ページをめくると、自分がいる空間と本の世界が繋がり、この1冊だけで夜の時間が過ごせた。
夕食後、にぃさんは疲れて寝転がっていたが、私は夕食の残りを皿に盛り直し、外のテーブルでキャンドルを灯し、ジンをジンジャーエールで割って一人晩酌。最高!
晩酌相手のジムニー、ありがとう。
虫の音しか聞こえない、と思ったが、カサカサっという木の葉が揺れる音が!小動物だと思うが、ちょっとだけ怖くなった。
夜空を仰ぐと、度の弱い眼鏡を掛けたド近眼でも見える沢山の星々!! にぃさんを呼び出し、しばし鑑賞。電灯などの公害がなく、月の光が弱いお陰(iPhoneで撮影しても真っ黒にしか映らなかった。残念)。
夜11時に就寝、翌朝6時前に起床。久々にぐっすり眠れた。
朝、遠くの方で銃を撃つ音が続けて鳴ったが、田畑の害獣除けの空砲音だと思われ、里山にいることを実感。
朝食が届けられる前に、朝散歩。
山小屋から坂を下ったところに、山神様が祀られていた。朝陽が差し込み、なんとも神々しくあった。
チェックイン時に会計が済んでいたので、朝食後、山小屋に別れを告げ、9時に出発した。
=余談=
普段、オペラをほとんど聴かない。聴くとしても有名な曲で、まったく領域の狭いことよ。
今回の山小屋のラジオから流れたオペラは初めて聴くもので、これも旅の一つの出会いだと思っている。
楽曲は以下のとおり。
Beethoven(ベートヴェン)作曲 Fidelio(フィデリオ)
Pael(パエール)作曲 Leonora(レオノーラ)
Cherubini(ケルビーニ)作曲 Les deux journLes deux journées(2日間)
パエール、ケルビーニという作曲家さえ知らなかったが、いわゆる”救出オペラ”であるこの3曲のうち、最も有名とされるのがベートヴェンの「フィデリオ」なのであろうが、彼に大きな影響を与えたのがケルビーニと知ると、この「二日間」をより味わい深く聴くことができる。
抒情的な備忘録動画をYoutubeに上げブログに貼る=実際のラジオからの音が著作権に触れる恐れがあるので、Clipchampで提供されている無料音源を被せてみた。
(コーヒーを淹れたり、ブランコに乗ったり、ハーブに触れたり)
(室内の家具や雑貨、窓から見える風景、裏庭から降りる小川、帰り道の車窓風景)
ここは長野県伊那市、ということを忘れる風景ばかり。
山小屋体験から感じたことを備忘録の最後として、また後日、記したい。