サンドバック社員2 面接 | 100回死んでも足りない女

100回死んでも足りない女

恥の多い人生でした…
人格障害が会社を経営したら

サンドバック社員 1 からの続きです。

 

新入社員G君の面接のとき、私の第一印象は

「これはまた随分な子だな…」でした。

 

背が低く痩せた体型で、突飛ばしたら簡単に向こうの壁まで吹っ飛びそうな貧弱さでした。

椅子をすすめても、オドオドしていて

「さっさと座って!」と突っ込みたくなるような愚鈍さです。

表情は不細工どころか、知能に疑問を持たれるような顔で

「悪気はないです、攻撃しないでください」と最初から謝っているような卑屈な笑いを浮かべていました。

 

「何か夢中になっていることはありますか?」

私が質問すると

「す、すい、水族館が、す、好きです」

「へぇ、どこの水族館が良いですか?」

「き、近所の、近所のトコのです」

 

G君の声は高く細く、喉が絞られた喋り方で

「ワレワレハウチュウジンダ…」

の宇宙人の声そっくりでした。

 

その後もとりとめのない質問をする私を、一緒に面接していた人事部長は

「???なぜ食いつく?」という顔をして何度も見つめてきました。

 

G君には彼女どころか友達すらいないのは一目瞭然でした。

私も嫌われ者で友達なんかいません。

 

触れ合う孤独の魂が万有引力のように私たちを結び付けた…

わけではなく、全然別の理由で私はG君の採用を決定しました。

 

続きます。