じこ報告書 -57ページ目

収穫祭

抜けるような青空に囲まれ、自ら今年の総決算と位置付けた大会に参加する。

『第11回ニューリバーロードレースin八千代』

人生初、市民マラソン参加。



実家にいた時は毎日のように走り込んでいたが、引越し後は走る機会が大幅に減ってしまった。その為、オレの中では体力の低下が叫ばれる。

10km。気が遠くなる響き。

不安という名のペースメーカーは、常にオレの数歩先を走っていた。自信や期待は、既に先頭集団から遅れてしまっているのが現状だった。



号砲。

前半は全体の後方にて様子を窺う。
みな、『普段から走っている臭』が体から滲み出ており、一様にランナーの顔つき体つきをしている。
スタート後間もなく、集団は飴細工を施したように長い長い直線と化していった。
他者の走りに思わず感心してしまう。速い。



4km付近。

いつしかエンジンの調子は良くなっていた。と同時に、遅れをとっていた自信や期待もペースを上げてきている。
先頭を快走していた不安は、かなり疲労が溜まっているようだ。

チャンス到来。
冬の収穫祭が始まった。



その後は、二度のギアチェンジとともに、動きの止まっている集団をごぼう抜きしていく。
気持ちいい。本当に気持ちいい。

爽やかな空気に鮮やかな景色。
沿道の声援が胸に染みる。
走るって素晴らしい。
改めて感動を覚える。



ゴール。
完走。

足につけた小型チップにより、すぐにタイムや順位が出る。
また感動。

豚汁が配布される。
疲れた体に絶妙な気配り。
また感動。

ぜひ、来年も走りたい。
心からそう思う。
感謝の嵐に包まれた初の市民マラソン参加は、多くの感動の下、無事にその幕を下ろした。

見上げれば雲一つない空。
まるで、不安を吹き飛ばした自分の心を表しているかのようだった。