★伊達家の学問所として江戸時代に開設された庭園★
場所・ 宮城県大崎市岩出山字上川原町6
電話・ 0229−72−1344 HPあり
開設・ 嘉永3年(1850)江戸末期
竣工・ 延宝5年(1677)江戸時代
構造・ 木造平屋建て 茅葺
公開・ 9〜17時 12月29日から1月3日・(月)休み
祝日の場合は翌日休み 400円
最終訪問・ 2023.06
*国・史跡 *国・名勝
宮城県北部、鳴子温泉からも近い岩出山地区にある国の史跡で名勝です
Pの方にも世界かんがい施設の遺産あり
江戸時代の仙台藩家臣である岩出山伊達家が開設した郷学(学問所)です
開校は10代邦直が当主の嘉永3(1850)年頃と考えられ、岩出山城北側の隠居所・下屋敷内に開設されました
JR岩出山駅前
現存する有備館の「御改所(おあらためところ)(主屋)」は、2代宗敏の隠居所として延宝5(1677)年に建てられた可能性が高い建物で、下屋敷としても利用され「対影楼(たいえいろう)」と呼ばれました
見学者入口
「庭園」は、正徳5年(1715)に4代・村泰によって整備されたと伝えられます
岩出山城の断崖を借景として、池の中に御中島、鶴ヶ島、亀子中島、兜島の4つの島を配した回遊式池泉庭園で、御中島には茶亭があり、島に渡る橋が架けられています
正門 こちらからは入れない
昭和8(1933)年2月28日、建物と庭園は「旧有備館および庭園」として国の史跡および名勝に指定され、昭和45年(1970)に岩出山伊達家から岩出山町(大崎市)に譲渡されました
・伊達政宗と岩出山
伊達政宗は、天正19年(1591)、豊臣秀吉の奥州再仕置により本拠を米沢から岩出山に移すことになりました
それまで岩手沢城と呼ばれていた城は、秀吉の命により東北に来ていた徳川家康によって修復され、政宗の新しい居城とすることが決められたといわれています
岩手沢城を居城とした政宗は、岩手沢を岩出山と改め、ここを10年あまり本拠としました
関ヶ原の戦いの後、家康から新たな領地を与えられ仙台に城を築き、慶長8年(1603)に4男宗泰を岩出山の城主(家格一門、知行高14600万あまり)としました
・御改所 (主屋)
郷学「有備館」で当主が講義を開いたり、学生に口頭試問を行ったと伝わる建物です
郷学として利用される前の隠居所や下屋敷では、当主専用の「書院」と呼ばれた建物と考えられ、お上の間の床の落とし掛けには、この建物の美称と伝わる「対影楼」の扁額が掲げられています
・付属屋
家臣などの控えの間などに使われた建物です
このような建物は、隠居所や下屋敷では「広間」と呼ばれた建物と考えられます
「式台」は、当主専用の出入り口で駕籠の乗り降りに適した高さに造られています
庭園の茶室
10畳と板の間には暖を取るための炉があり、「板の間」には畳敷であった可能性が考えられます
*
宿泊した宿
今回は、この近くの川渡温泉に宿泊したのですが、その宿の壁にあった観光ポスターにこの有備館の美しい写真があり、
古川の町に行く予定
前から気になっていたし、古川の町に行く予定があるので、通り道だし寄ってみようということで、急遽2日目に寄りました
入口
当日は残念ながら梅雨でけっこうな雨の日でしたが、おかげで21度くらいで涼しいです
附属屋の控えの間 玄関は式台
暑い日だとPまでがけっこう距離があるので、つらかったし庭園なので外を歩くのできつかったと思います
暑いくらいなら雨の方がいいです
周辺は子連れ様の公園として整備もされている場所もあり、天気がよければにぎやかだったでしょうね
伊達家が整備した水路などもあり、駅もすぐ前にあるので、電車でのアクセスもいいですね
床の間の釘隠し
入口は意外にこじんまりとしており、質素なもので、この辺が江戸時代ですかね
かつてはこの岩出山地区に伊達政宗さんがお住まいということも、このときに知りました(現地に実際に行くと情報が入り、勉強になりますね)
御改所(主屋)
山形の米沢で生まれ育ち、宮城の岩出山に移住し、最後に仙台へ行って大都市を整備されたのですね
上杉謙信公の神社だが、伊達政宗氏もこの城跡が地元
良い料亭や旅館の大広間のよう
今では優雅な庭園や古い酒造や町の商店街も近くにあり、そういった歴史から発展した町なのでしょうね
まず受付で350円を支払い、自分で左手の御改所の入口へ
伊達家の家紋入りの襖紙
特にガイドの方はおられないですが、御改所では1名のシルバー系のガイドのおばあさんがいて少し説明とお話もできました
欄間 釘隠しも
御改所は茅葺の大きな建物で、東日本大震災の際には倒壊してしまったそうですが、7年前に修復復元工事が完了し、今は無事に通常通り見られるそうです
床の間
国の史跡で重文なので、修復のお金は国が出してくれます
震災の年の10月に鳴子に来たときに来ても見られない状態だったようですね
床脇には違い棚に天袋も
内部は、奥の庭園側に大広間があり、庭園の眺めが美しく優雅で、季節や時間、天気毎にいろんな表情を見られるのでしょうね
今回は私はこの大広間のポスターで見た書院と床の間、欄間などの意匠が見たくて来たので、そちらもよく見ました
これが見ものの書院です
この大広間の襖や書院、広縁の欄間には伊達家の家紋などがあり、これもポイントですね
伊達家の家紋が入り、窓が開いて掛け軸のようになる
とても大きな堂々とした、いかにもお殿様がいそうなお部屋で、さすがの伊達家の裕福ぶりが感じられました
外側から見た書院 伊達家の家紋も欄間に
7年前に修復されたばかりなので、畳も新しく木材も白木で気持ちの良い空間ですが鄙びはまだないかなー
対岸の池の向こうの庭園側からも見たかったのですが、時間もないし雨だし、残念ながらそちらには大声を上げる子連れ様が散策でいたので行けませんでした
縁側
ちょっと風情がねー、雨で静かかと思ったら
御改所の左手には付属屋の小さな茶室のような小屋があり、こちらも風情があって良かったです
岩手の平泉のような庭園
どうやらこの池に鯉がいるので、この鯉を見て子供が興奮していたようです
ということで、時間もあまりないので速足で見ましたが、伊達家の優雅な雰囲気の感じられる庭園でした
国の史跡や名勝ということで、見る価値のあるところだと思います
時間のある方はゆっくりと御改所で座って庭園を眺めたり、庭園の池の周りを歩いたりするといいですね
池の鯉
今回は有料なので私だけ見てきましたが、旦那は興味あるかなー
茅葺・伊達家・歴史好きの方にもおススメです♪