☆東京の向島から千葉のホテル・
数度の移築で故郷の新発田へ☆
場所・ 新潟県新発田市諏訪町1−9−20(東公園内)
電話・ 0254−28−3255 しばた町めぐりHPあり
設計・ 大成建設(当時は大倉組) 今村吉之助
現場監督・ 山中彦三
竣工・ 明治45年(1912)
構造・ 木造2階建て
人物・ 孫文 渋沢栄一 海外の賓客など
公開・ 9〜16時 (木)休み 年末年始休み 500円
貸し部屋・ 2階大広間は会合や宴会に利用OK
駐車場・ イクネスしばたの第二・第三P 表示もなく路地でわかりにくい
最終訪問・ 2023.06
★感想編
今回は待ちに待った「蔵春閣」の公開ということで、さっそく新発田へ
2階への階段入口より
2023年4月29日にオープンし2日で2500人もの多くの方が押し寄せたそうです
それだけ期待が大きい人気の建物なのですね
2階への階段
1年の目標が15000人だったのですが、それを2週間で達成したそうです
2階へと向かいます
2023年6月30日までは無料公開をしているので、その勢いで土日には次々に東京のように人がなだれ込み、常に賑わっている状態でした
2階 大理石のモザイクタイルの床
新発田市の古い建物でこんなに人がいるのは見たことがないので、何かのイベントやお祭りのようでした
無料の力と、この建物の持つ魅力がこれだけ多くの方に伝わっているのだなあと思いました
2階 左が舞台のようになり当時はイベント会場に
ただ、年齢層が50代以上が9割だったので、高齢者層に人気のようです
2階 当時はここに椅子を並べて鑑賞
なので、子連れはいないので静かに見れるのがいいですが、なんせ混雑しているのでゆっくりと見れないし、写真も人の写りこみが激しいので、また有料のときに1階の書斎が公開されたらゆっくりと行きたいです
2階 大広間
今回はまさか無料とは知らずに行ったら、無料期間で混んでいたという結果に
いつもこれくらい古い建物に興味ある人がいればいいけど「無料で新しいからとりあえず来た」という方も多そう
2階 廊下の隅の戸棚の意匠も忘れずに
2階への階段も杖をついて手すりでやっとこさ登れるようなおばあさんまで一生懸命に見に来ていました
大倉財閥のこととか年配の方には有名でも、20代とか今の若い子にはわからないかもなあ
でも、このすごいド派手な建物はインスタ的にも映えると思うので、おススメです(結婚の際の撮影にも良い)
地方では不可能な、東京だからこそできた、このレベルの建築です
2階 大広間の折り上げ亀甲型天井
それが新発田にあるのですから、それも500円で見れるのでお得ですよね
まずは玄関から
2階 天井 金箔張りなのでこれだけで億ですね
玄関からもう天井は折り上げ格天井で豪華な造りですが、色はなく木の肌のままなのでこれはまだ序の口
ここで驚いてはいけないのです
2階 大広間 人が多くうまく撮れません
玄関正面に食堂1があるのですが、ここからしてもう度肝を抜かれます
まるで仏壇の中か寺院のようで、これが個人の家とは思えません
2階 大広間 床の間
まあ迎賓館的な施設で住宅ではないので、ここまで派手なのですが、ここで招いた人の度肝を抜いて、相手にみくびられないようにということかも知れません
相手にすごいと思わせて、交渉を有利に進めるという戦略もあったかも
これだけの財力があります、的な見本になるのでね
2階 大広間 床の間の中の天井も金の格天井
壁は金箔張りですし、壁の絵画なども有名な画家の方のものだそう
天井もまるで老舗旅館の大広間にありそうな格天井で、寺院風の花頭窓、欄間彫刻なども見もの
2階 大広間 床の間の横の彫刻板
上の方だけでなく、床も寄木細工でできており、私が床の写真を撮っていたら、すぐ近くに来た人が「床もすごいんでしょ」と同行者と話していました
2階 廊下側
シャンデリアは水晶でてきており、これも当時の金持ちの家には必需品ですよね
江戸東京たてもの園の三井家とか、そういう邸宅でも見て来たものでした
それがこの新潟県の新発田で見れるのですから、貴重ですよね
2階 投網の彫刻の手すり 当時は隅田川沿い
2階へはまた玄関から階段室を経て登るのですが、この階段室の入口も寺ぽい漆塗りの花頭窓のデザイン
まるでここからまた違う世界へ行くんだぞ、というようなゲート
2階 大広間 襖の絵も美術品
迎賓館らしく階段は多くの人が登れるように、広い造りになっています
今では手すりもあり、高齢者の方の見学でもOKです
1階 食堂の寄木細工の床
角度は昔の建物にしてはゆるやかで、左手に曲がるあたりが「全貌をまだ玄関では見せないぞ」という意思を感じます
期待を持たせて2階へ上るとまずは床が大理石
1階 食堂の寄木細工の床
2階の廊下はイタリアより輸入したモザイクタイルの絵で飾られ、隅田川の水鳥などを意識した絵柄
当時はこの廊下を客席として、大広間でいろんなイベントをして来訪者を楽しませたそうです
この廊下沿いの窓からは、当時は隅田川が見えて、春には桜も見えたとか
2階の大広間は33畳ありますが、これがまた度肝を抜かれるド派手さ
部分的な意匠
天井は折り上げ格天井ですが、これがまた亀甲型で金箔で漆と絵柄で装飾された仏壇のようなもの
そこに1階と同じく水晶のシャンデリアで和洋折衷なのかわけのわからない目黒雅叙園のようなカオス
壁も金箔で覆われ、襖絵なども有名な作家の方のもの
窓は花頭窓や月見台もあり、網のような手すりのデザインは喜八郎さんが考えたものだそう
隅田川に面しているので魚の投網かな
床の間も堂々としたもので、床の間の中の天井も格天井
このデザインセンス、ほんと独特ですごいですよね
当時はここでどんなイベントで盛り上がり、この建物の内装を見てどんなお話で盛り上がったのしょうね
ほんの100年前には孫文さんや渋沢さんがおられた同じ空間に、今の自分が行ける不思議さ
ここは新発田市に来たら、今度からは絶対に外せないSPOTとして見てほしいです(付近の有名温泉は月岡温泉あり)
目の前には鎮守様の諏訪神社、老舗の市島酒造、足軽長屋、清水園、寺町通りなども徒歩圏内であるので、街歩きの一環としても
邸宅・ド派手建築・近代和風建築好きの方にもおススメです♪