☆残念ながら廃業の旧別荘の木造4階建てのつげ宿☆
場所・ 山形県最上郡大蔵村肘折温泉
泉質・ ナトリウム・塩化物泉、炭酸水素塩泉 70度 PH7 かけ流し
(低張性・中性・高温泉)
開湯・ 807年 源翁、弘法大師説も
創業・ 大正2年(1914)
竣工・ 大正2年(1914)
構造・ 川側から見ると木造4階建て
風呂・ 男女別 内湯1ずつ
料金・ 2食付 6555円前後〜(当時)湯治OK
立ち寄り 500円 10〜15時 (当時)
最終宿泊・ 2011・10 廃業4か月前
*日本秘湯を守る会でした
これは2011.10に実際に宿泊したときのレポートです。
肘折温泉街から砂防ダム方面へ行き、肘折の源泉地の対岸にあり、温泉街からは外れている1軒です
この宿は元々は別荘として大正2年(1914)に建てられたものを旅館として使用しています
だから多分、温泉街からは離れているのでしょう
紅葉した山を背景に川岸の斜面に沿って建てられているため、川側から見ると4階建てに見えます
ですが、車道側から来ると2階建てという造りです
一見、山梨などにありそうな兜造りのような屋根の造りをしています
ですが、この屋根の雪下ろしで屋根から落ちて、この4か月後ご主人が亡くなってしまうなんて。。。
同じく雪国の新潟の上・中越も雪が3mも積もるので、屋根の雪下ろしで屋根から落ちて亡くなる方が後を断ちません
なので他人事ではありません
そしてこの宿のご主人のおかげで、私は初めてつげ先生の作品を読むことができたのです
今回は秘湯の会のスタンプを集めていて、かつ肘折温泉に宿泊してみたかったので、肘折の中で秘湯の会の宿は何軒かありますが、予算と建築を考えたところ、こちらの宿になりました
「丸屋旅館」さんも和モダンで良いのですが、予算ともう少し鄙び湯治場系を求めていたので
宿に着く頃には今回も色々と寄り道をして来たので、夕方になってしまいました
宿に着くとご主人が迎えて下さり、予約しておいた旧館の一番良い部屋「もみじ」へ案内して頂きました
窓には「カメムシ大量発生中注意」と貼ってあります。。。
この部屋は2名には広い12畳くらいあるような4階に当たる部屋です
部屋は川に面していて川沿いは全面窓で、夜はカーテンをしないと怖そうです
館内は大正時代のままの造りで、今夜は旧館には私たちだけのようでした
それでも2食9180円なので良心的です
新しい館もありますが、私はいつでも旧館派ですので
机の上には地元の温泉まんじゅう「ほていやまんじゅう」とお茶セットの手ぬぐいは葉山館オリジナルのこけし柄の手拭でほしいくらいでした
ご主人に「古い部屋ですが大丈夫ですか」と聞かれましたが、こちらはそれを求めて来ているのです
かえって新しいとがっかりしてしまう特異な客なので。。。
秘湯の会のスタンプ帳を渡すと、今までに押してある5軒の内容を見て、ご主人は納得されたようでした(笑)
「カメムシ多いですが、大丈夫そうですね」と言ってカメムシを捕まえたら入れる容器とピンセットを置いて行きました(笑)
この5軒というのは、日景温泉、蔦温泉、乳頭温泉、小谷温泉、栃尾又温泉など、全て古い館が残る湯治宿です
もちろん可能な限り、その宿で一番古い部屋を希望して宿泊してきました
さっそく部屋にいるカメムシを回収しなければいけません
これはいつもなぜか私の役目で、旦那はギャーギャー言って見てるだけで何もしません
なのに人一倍、カメムシの臭いや「寝てる間に顔に付いたら顔が臭くなる」と言って心配するのです
そんなに心配なら自分で取れ
これだからCITY BOYは。。。私は田舎なので、子どもの頃はいろんな生き物に親しんできました
ちょうど10月の末はカメムシの多い時期だったらしく、確かに今まではいても3匹くらいだったのに、この宿は「カメムシの館」と言っても良いほど廊下や隣の使っていない部屋には大量にいました。。。
しかし幸いなことにもう寒いので、奴らも死んでいるか動きが鈍いので捕まえやすいです
それに今までまだ1度もそのすごい臭いというものを嗅いだことがないので、逆にどんな臭いなのか気になる(パクチーの匂いとか)くらいですが、やっぱり嗅ぎたくはないなあ
こういうのが本当に無理な方は、秘湯の会の木造の宿には難しいかも知れません。。。
洗礼というか避けては通れない、一つのアトラクションのように考えていますが。。。かなりの確率でいます
さっそく温泉街の共同湯「上の湯」へ行きたいというと、宿泊者は無料になる入浴券とタオルなどを入れるかごを渡して下さいました
葉山館貸し出しのかごとタオル 温泉街の(=^・^=)
温泉街のパンフを渡され、他の2つの共同湯についても聞いたら「本当に地元用で狭いですよ」とのことでオススメされませんでしたが、今思うと「上の湯」は最悪日帰り客でも入れますが、他の2つは本当に今は地元しか入れないのでこっちに入っておけば良かったです。。。
温泉街へは徒歩2分くらいで到着し、川沿いや温泉街にある洋館の郵便局を見学したり、肘折こけしを探して土産店を回りましたが、基本的に2000円くらいして高くて買えませんでした
紅葉の時期の土曜の夕方なので、温泉街は賑わって多くの観光客がいました
温泉街にはこけしの絵や看板が多く、こけし好きとしては興奮しました
このときに行った「上の湯」については別の章に書きます