椰月美智子 『体育座りで、空を見上げて』 | 流れに任せて雑然と

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中学校卒業から、間もなく22年・・・。中3って平成2年の話だからねえ。もう時代が一つ違う感じがするなあ。


そのとき何を考え何を意識して行動していたんだろうか・・・。部活が忙しかったことが一番印象が強くて、勉強はどうだったかなあ。。。人間関係も細かいところは曖昧。


高校はけっこう覚えているんだけど。20年以上過ぎた中学の記憶って、だいたいこんな感じじゃないだろうか。



本書は、ある女子の中学時代3年間を時系列に描いた小説だ。


彼女は1970年生まれのため、僕より5歳上の設定。だから彼女の興味を占めるアイドルやテレビ、音楽は時代が少しずれる。でも、「中学の生活」という面では、大いに重なってくる。


女子と男子なんで、そこは違うだろう。男子に比べれば、バイオレンスが少ないというか、ほのぼのした空気もある。まあ、主人公ほど激しい反抗期は、誰しも共通するものではないだろうけど。


淡々と描かれているが、それがかえってリアルな感じがした。ごく自然に、彼女の目線になるというか、中学時代に気持ちが戻って行った。


彼女の考えや意識は確かに変化していく。小学校の頃の、まだ子供じみた感覚から、大人への階段を少しずつ登り始めるにしたがい、自分の意識の動きに戸惑い、感情を制御できなくなったりする。


友人、先生、親と姉・・・。思えば狭い世界ではあるが、中学生にとってはそれが全てだ。そこから外の世界へ目が向くはずもない。


読んでいてもどかしくもなる。もっと大人になれよ、とかって思う。それは今だから言えるってことも分かっている。


中学生って、やっぱりまだ子供。しかし不思議と、自分たちが子供扱いされることに過敏に反応して、それでいて大人扱いされたくもない。そういう揺らぎ自体が子供なんだけど、そこまでは気付けない。


何か彼女の揺らぎを見せられて、自分の中学時代を客観的に振り返ったような気がした。



忘れていた風景がよみがえってきた。


普通の中学生の話だからこそ、自分のことも思い出せる。劇的なドラマは何も起こらない。


彼女はビートルズ、マイケル・ジャクソンからチェッカーズ、そして尾崎豊へ聞く音楽を変化させていった。僕も当時聞いていた音楽をひもといて見ようかな。そうすると、細かい記憶が更に戻ってくるかもなあ。


忘れておいた方が良い話もあるかも。。。


体育座りで、空を見上げて/椰月 美智子
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