IF(もしも、)⑫
おはようございます。s97です
それではお話スタートです。どうぞ!
このストーリーは、放送された越界をみて、s97が想像(妄想)した物語です。
読んでくださる方のイメージにそぐわない場合もございます
“こんな妄想をしてる人がいるのね!ふ~ん“
↑
こんな感じで気楽に読んでいただければ嬉しいです
二泊三日の合宿も明日の昼で終わり。
あれから俺は、振武とも子軒ともほとんど話していなかった。
子軒は毎日、宇豪につきっきりで孟特訓をしている。
次の試合までに、何とか使い物になるようにしておきたいのだと。
振武に関しては、もう目を合わすどころか顔を見る事すら出来ず、前にも増して避けるようになった。
晩ご飯を済ませた後、俺は1人で浜辺へやって来た。
白い砂浜が人気で、夏は海水浴客でごった返すが、今は誰もいない。
俺は、海岸沿いを歩きながら倉庫での振武とのやり取りを思い出していた。
なんで言ってしまったんだろうか。
シラをきりとおせばよかったのに・・・
これじゃぁ元の状態にさえ戻れないじゃないか。
はぁ~・・・
海に向かってため息をつく。
誰もいないんだし、ため息、つき放題だな。
なんだか笑えるよ。
俺は月明かりの中、砂浜に座りぼんやりと海岸を見つめた。
昔、家族4人で海に旅行に行った事があったよな。
親父たちが再婚して、初めての家族旅行だったから とにかく俺は嬉しくって。
振武と二人でギャーギャー騒ぎながら、こんな砂浜を走り回ったのを覚えている。
ほんと、楽しかったよな・・・
あの頃に・・・戻れたらいいのに・・・
目から涙が、こぼれ落ちた。
しばらくぼんやりと海を見つめていると、
後ろから足音が聞こえてきた。
俺は急いで涙をぬぐい振り返ると、
「子軒?」
子軒がこちらに向かって歩いてくる。
「こんなところにいたんだ。どこにもいないから、随分探したんだぞ。」
少し困ったような顔をしている。
「ごめん。ちょっと一人になりたくて。」
子軒は、そっかと言うと俺の隣に座って海を見つめた。
しばらく何も言わずにいた。
満月だろうか?今日はやけに明るい。
子軒は、まっすぐ前を見たまま、
そのままぽそっとつぶやいた。
「・・・心配したんだ。」
その声がひどく優しくて、、、
子軒の前で、もう泣かないって思っていたのに、
「ゴメン。俺・・・
ほんとどうしようもなくて・・・」
少し声が震えている。
子軒は黙ったまま俺の肩に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
俺はもう我慢が出来ず、子軒の肩に顔をうずめ、声をあげて泣いたんだ。
大きな手が、
俺の頭をずっとやさしくなでてくれていた。
つづく》
※見たドラマの台詞・シーンを参考にさせて頂いております。画像はお借りしています。