皇室の情報発信を強化するため、宮内庁は1日、総務課内に「広報室」を新設する。同庁は「皇室の方々の活動や人柄を今まで以上に充実した形でタイムリーに情報提供できるよう心がけたい」としている。

 宮内庁ではこれまで、総務課報道室(15人)がメディア対応に当たり、このうち5人が広報発信活動に従事していた。

 広報室はこの5人と、皇嗣職を兼務する職員、新たに増員した3人の計9人でスタートする。増員のうち1人は民間企業出身者を採用したという。当面は9人で業務を行い、年度内にはさらに1人を増員して、計10人体制となる見込み。

 広報室長には、警察庁外事課経済安全保障室長を務めた藤原麻衣子氏が就任。雑誌、インターネットメディア関係、皇室の名誉を損なう不適切な出版物などへの対応を担う「渉外専門官」や、広報の実務に加え、庁内の広報体制構築などにあたる「広報推進専門官」らが新設される。

 藤原氏は「大変身が引き締まるような思い。天皇陛下や皇族方の姿、活動についての国民の理解が深まることが大事。そのために尽力していきたい」と話す。

 広報室の発足に合わせ、同庁のホームページ(HP)の刷新に向けた調査や研究も行う。

 1999年に開設されたHPは2009年以降、大きなリニューアルがされていない。インターネット環境の変化などを踏まえ、調査・分析業務に係る経費として約350万円を今年度の予算に計上した。ただ、各府省庁が行っているSNS(ネット交流サービス)での情報発信を進めるかどうかは決まっていないという。

 広報体制強化は、秋篠宮ご夫妻の長女小室眞子さんの結婚をめぐって、インターネット上などで誤った情報が散見されたことも背景にある。

 秋篠宮さまは21年の記者会見で、事実と異なる場合に反論するための「基準作り」に言及された。昨年11月の会見では、宮内庁関係者と基準作りについて話したと明かし「基準を作り、意見を言うということはなかなか難しい」「引き続き検討していく課題なのかなと思っております」と述べていた。

 陛下も今年2月の会見で「国民との交流を重ね、国民と皇室の信頼関係を築く上では、皇室に関する情報を、適切なタイミングで国民の皆さんに分かりやすくお知らせしていくことも大事なことであると考えます」と発言していた。【井川加菜美】






 宮内庁は1日、総務課内にインターネット上の発信強化を見据えた広報室を新設し、室長に警察庁長官官房付の藤原麻衣子氏(44)が就任した。皇室の方々の公務や人柄をより充実した形でタイムリーに情報提供するべく、発信内容や方法を検討する。積極的な発信により、虚偽の情報による誹謗(ひぼう)中傷を減らしていきたい狙いもある。


 広報室は室長を含め定数10人で、一般の人や雑誌、ネットメディアなどの問い合わせ窓口となる。記者クラブ加盟の新聞社やテレビ局、通信社などに対応する報道室が別にある。

 皇室の方々の名誉を損なう出版物などに対応する「渉外専門官」、広報に関する助言や新たな広報手法を検討する「広報推進専門官」といった役職がある。SNSを含めた情報発信の強化について検討を深める狙いから、民間出身者を広報推進専門官に起用し、さらに1人を補充する。まずは同庁ホームページの刷新に向けた調査・分析をするという。

■藤原氏「志をもって」

 藤原氏は、茨城県警捜査2課長や警視庁組織犯罪対策総務課長、警察庁外事課経済安全保障室長などを歴任。今年3月24日付で宮内庁長官官房付を併任(4月1日付で併任解除)した。就任にあたり「大変身が引き締まる思い。天皇陛下や皇族方のお姿やご活動について皆様の理解が深まるよう、志を持って取り組んでいきたい」と抱負を語った。(多田晃子)





皇室に対する名誉毀損に関しては、非親告罪化するか、全ての日本国民が公訴を提起できるように法律を改正してほしいものです。