新型コロナウイルスのワクチンの接種を義務化したニュージーランドでは、議事堂周辺で反ワクチン派による抗議集会が行われているようです。
世界各地で『反ワクチン』の陰謀論が展開されていますが、その根底にあるのが政府に対する不信感であり、
匹夫・匹婦のみならず、政治家や医療関係者など、社会的地位が比較的高い人々なんかもワクチン忌避の主張を展開する場合もあるため、始末におえません。
「ワクチン接種の真の目的は、マイクロチップを人体に埋め混むこと」だの、
「5Gの電波を受信(?)できるように肉体を改造される」とか、
あまりの荒唐無稽さに、失笑を買うような内容も多くありますが、
「製薬会社などの『利権』のために、国民が翻弄されている」といった内容の場合、それが社会的地位の高い人やSNS上のインフルエンサーによってなされた場合、思わず信じてしまいそうになる気持ちも分からなくもありません。
私自身、2年近くも新型コロナウイルスに翻弄され続けてきた1人でありますが、
身近な人から新型コロナに感染して重篤な症状になった人がいないのに加え、それまでは季節性インフルエンザの予防接種も受けたことのないくらいの、どちらかと言えば『ワクチン懐疑論』の立場にあり、
ワクチン接種に関しても、無料の職域接種(※モデルナ社製)でなければ受けなかったかもしれません。
実際、服反応で高熱を出して苦しんだ立場からも、
ワクチン接種を拒否しているからといって必ずしもカルトに入信しているとか、危険思想の持ち主と断定することはできませんし、
単に、ワクチンを打てない人に対する不当な差別があってはならないと思います。
しかし『反ワクチン』派が、国家権力や某かの利権に対して必死に憤っていることについては『矛盾』を感じるんですよね。
『反ワクチン』の主張や運動もまた、それを煽動している奴等の『利権』となっている筈ですが、
それを疑う者が、連中のなかに全く見られないのが不思議でならないのです。
教養に乏しい匹夫・匹婦ほど、先ず『自分の信じたい内容』に沿う証拠を集めたがる傾向にあり、
しばしば、それが現実よりも優先されることにもつながり、SNS等を通じて共通の被害妄想によって結束した連中の思い込みに修正を加えるのは困難を極めます。
【ワクチンの飛躍的な性能向上】
日本で接種されているファイザー製と、武田/モデルナ製の『mRNAワクチン』の特徴は、
新型コロナウイルスの mRNA (※メッセンジャーRNA。ウイルスの遺伝情報にあたる)を接種することによって体内でウイルスのタンパク質を生成し、抗体を作るタイプのものであり、
中国製やロシア製で主流の『不活化ワクチン』と比較すれば、変異種に対しても高い効果を期待できるものであります。
医学も日進月歩であり、図らずも新型コロナウイルスの蔓延に伴ってワクチンの開発もまた、飛躍的な進歩を遂げたわけであります。
【反ワクチン派の目的は?】
国家権力や企業の利権に憤る大衆の感情論を巧妙に利用した、ある種の『貧困ビジネス』であります。
そして、その『貧困ビジネス』が本領を発揮するのは、皆にワクチンが行き渡った後になるでしょうね。