読売新聞社は、9~10月、皇室に関する全国世論調査(郵送方式)を実施した。天皇の皇位継承などを定めている皇室典範を改正して、女性の天皇を認めることに、「賛成」と答えた人は69%に上り、「どちらともいえない」が24%、「反対」は7%にとどまった。将来、皇位継承が難しくなる不安を「感じる」は68%で、「感じない」の31%を上回った。
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郵送方式では、女性天皇についての質問を2018年、20年、22年に実施。直近の22年の調査では、女性天皇「賛成」は70%、「どちらともいえない」は24%、「反対」は6%だった。
皇室は現在、16人で構成されている。このうち皇位継承の資格があるのは秋篠宮さま(60)、秋篠宮家の長男悠仁さま(19)、常陸宮さま(90)の3人。
皇位継承に関しては、これまで、父方が天皇につながる「男系」の天皇だけで、母方が天皇につながる「女系」の天皇はいない。これまでと同じように「男系」を維持する方がよいと思うか、「女系」も認める方がよいと思うか尋ねたところ、「女系も認める方がよい」が64%で、「男系を維持する方がよい」の13%を大幅に上回った。「どちらともいえない」は22%だった。男女別では、「女性天皇」「女系天皇」のいずれも、女性の方が肯定的な意見が多かった。
与野党は衆参両院議長の下で、皇族数の確保策について協議を続けている。安定的な皇位継承や皇族数の確保策について、国会は、できるだけ早く結論を出すべきだと「思う」と回答した人は67%で、「思わない」は31%だった。
読売新聞社は5月、安定的な皇位継承に向けた提言をまとめた。▽皇統の存続を最優先に▽象徴天皇制維持すべき▽女性宮家の創設を▽夫・子も皇族に――の4項目の対策を示した。
調査は9月24日~10月31日、全国の有権者3000人を対象に実施し、2004人が回答した(回答率67%)。
依然として、男系固執 が 女性天皇賛成 を逆転する見込みはない。
そして、今回の読売新聞の世論調査の結果で注目すべきなのは、
> 皇位継承に関しては、これまで、父方が天皇につながる「男系」の天皇だけで、母方が天皇につながる「女系」の天皇はいない。これまでと同じように「男系」を維持する方がよいと思うか、「女系」も認める方がよいと思うか尋ねたところ、「女系も認める方がよい」が64%で、「男系を維持する方がよい」の13%を大幅に上回った。
女性天皇賛成 … 69%
所謂「女系天皇」賛成 … 64%
「父方が皇統につながる 女性天皇(※所謂「男系女子」) なら容認するが女系は反対」という姿勢をとる政治家が与野党の右派系に散見され、高市総理もその立場をとってきたわけだが、
そのような主張は、この国に於いても限りなく少数派 なのである。
「女系天皇と女系天皇の違いがわからない」というのもウソ で、
ちゃんと回答者は質問者の意図を理解した上で 所謂「女系天皇」に賛成している。
ずっと前から結論は出ているのだ。
政府与党は、男系だの女系だのという生産性のない蘊蓄自慢に終始するのはやめて、皇室典範改正を急げ!!
皇位継承 の安定に関する政府の対応は、実際には「皇族数の確保」以上のものではなく、
課題の本質から目を背けたものと評価するしかありません。
女性天皇 の即位や、その皇子が即位すること(※所謂「女系天皇」) を、世論の圧倒的多数が容認しているにも関わらず、
有権者国民の代表である筈の諸君らが、日本会議 といった特定の 宗教右派 のイデオロギーに迎合し、その代弁者に成り下がっているのは非常に嘆かわしい状況であります。
そもそも、我が国の 皇統 は、本当に「男系」だと言えるのでしょうか?
先ずは、そこを疑うべきではないでしょうか?
確かに、皇位継承に関する議論のなかで「男系」か「女系」かということばかりが焦点になっており、
国民大衆の間でも「女性天皇」「女系天皇」を知っているかどうかという蘊蓄自慢が罷り通っている状況にありますが、
皇室の歴史というのは、記紀(※古事記・日本書紀) に登場する「天照皇大神(※天照大神、天照大御神)」から始まっています。
宮内庁と法務省が保管している 皇統譜 に於いても、天照皇大神 が「世系第一」と記載されており、
その 天照皇大神 は、宗教の枠を超えて日本人の常識として「太陽の女神様」であると考えられております。
皇祖 が、女神さま であるならば、
皇統 には「男系」も「女系」もへったくれもありません。
初代・神武天皇 に始まる「人皇」に於いても、第2代・綏靖天皇 ~ 第9代・開化天皇 までの「欠史八代」の記録が乏しく、その実在性については議論があるのに加えて、
第14代・仲哀天皇 が生まれたのは 成務天皇18年(148年) ですが、父・日本武尊 が薨去された 景行天皇41年(111年) との間には30年以上もの空白があります。
第15代・応神天皇 についても、
父・仲哀天皇が崩御されてから、十月十日を過ぎてから生まれていることや、
その五世孫である 第26代・継体天皇の祖父・乎非王 の名前は、記紀(※古事記・日本書紀) に記載がなく、そのひとつ前の 意富富杼王 についても配偶者の 中斯知命 共々、記録が少な過ぎることからも、
古代の ヤマト王権(※大和朝廷) の大王(※天皇) が、血縁によって継承されていたことを否定しないまでも、
必ずしも、男系によって継承されていたという保証はありません。
「日本の皇室が、男系で一貫して続いてきた事が外国人からも高く評価されている」
という主張する人もいますが、
それが本当ならば、国連の 女性差別撤廃委員会 から 皇室典範改正 の勧告を受けるような事態は起こらなかった筈ですし、
日本の皇室が、男系で続いていたことを信じている外国人などいないことについても、
「男系」[male line](英) はあっても、
「男系男子」「男系女子」にあたる言葉がないことからも、それは断言できます。
日本に於いて「男系男子」という文字がはじめて登場するのは、明治22年(1889年) に制定された典憲(※旧皇室典範 と 大日本帝国憲法) であります。
それについても、ドイツ帝国(※プロイセン王国) をはじめとする欧州の制度を「参考」したことは皆も知るところでありますが、、、
その過程で、
「男子のみに 帝位継承・家督相続 の権利があり、女子が継承する場合はその夫に権利が移る」
とする、当時の欧州に於いても形骸化しはじめていた「サリカ法典」の残滓を継承した 法制度 が、我が国に「輸入」される過程で「発明」されたのが「男系男子」という概念であると考えられます。
加えて、父が天皇もしくは皇統に属する 女性天皇 および 女性皇族 を「男系女子」と定義するようになったことについては、せいぜい20年くらい前のものであり、ある種の「都市伝説」のようなものであります。
そもそも、男系 [male line] は読んで字のごとく、そこに女子が入り込む余地がないので、
このような定義自体が、日本国内の限られた集団の間でしか通用しない「屁理屈」でしかなく、一笑に伏して良いものなのです。
我が国の 皇統 は、男系だの女系だのと単純に定義できるようなものではないのです。
所謂「女系天皇」という表現については、
皇室典範(昭和22年法律第3号) 第1条に書かれている「男系男子」に代わる「新しい概念」であるかのような思い込みを与えるきらいがあり、
諸君のなかにも、所謂「保守」的な矜持から、それを受け入れることに抵抗を示す者がいるのは理解できます。
ですが、
開化天皇五世孫で、事実上の「15代天皇・初代女帝」であった 神功皇后 から 応神天皇 への皇位継承。
斉明天皇(※皇極天皇) から 天智天皇 への皇位継承。
元明天皇 から 元正天皇 への皇位継承。
史実として、母から子への皇位継承が実際に行われていたことを踏まえれば、
元明天皇(※母) から 元正天皇(※娘) という女系 [female line] もあったことからも、所謂「女系天皇」にあたる皇位継承についても、
別段、特定の政治集団の理念やイデオロギーを代弁するかのような特異な概念とは言えないでしょう。
むしろ、19世紀末に発明されたにすぎない「男系男子」や、
ここ最近にできた「男系女子」という概念に固執することこそ、
日本国民統合の象徴である 皇室 の偉大さを矮小化し、敬宮さま(※愛子内親王殿下) をはじめとする女性皇族の活躍を否定する極めて「不敬」なものであります。
如何なる詭弁を用いても、男系に固執することは「男尊女卑」の合理化でしかなく、
そのようなイデオローグは、皇統断絶 に荷担している「国賊」であると同時に、対外的な我が国の名誉を失墜させる「国辱」でしかないのです。
諸君らが1日も早く反省し、国家のために精勤してくれることを、切に願います。