ここ数年で一番の感動作に出会えました。
終盤、読みながら涙がとまらなかったです。
主人公が阪急電車に乗ってる時、停車駅アナウンスで「西宮北口」を「いつか来た道」と聞き間違えたことから物語は始まります。
ふと西宮北口で降り散策していると、かつて阪急ブレーブスの本拠地西宮スタジアムがあった場所を歩き、主人公が少年時代に父と野球を観に行った思い出が甦ってきます。
また、父の初恋の相手が在日北朝鮮人であり、当時「地上の楽園」と言われていた北朝鮮に帰還したものの、想像とは真逆の劣悪な環境で生活している様子が描写されてます。
父の初恋の相手と唯一観に行った西宮スタジアムのナイターでバルボンがサヨナラホームランを放ったシーンをきっかけに様々なドラマが描かれています。
読み進めるうちに、こうつながるのかぁと見事としかいいようのない構成です。
僕も小学校のとき父とグリーンスタジアム神戸でオリックス戦を観戦した記憶が甦りました。
しかも、その時試合前に子ども向けのスピードガンコンテストを取り仕切ってたのがバルボンでした。
小学生の僕にはバルボンが誰か知りませんでしたが、父が「昔、すごい選手やったんやぁー」と教えてくれたことを覚えています。
西宮スタジアムは今は取り壊されて西日本最大級のショッピングセンターに生まれ変わってます。
そこのわずかなスペースに阪急の記念館やホームベース跡などが残ってるらしいので、近いうちに見に行きたいと思います。