ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々 | ラクダのオーナーのブログ

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次はハーフマラソンの部で優勝して馬のオーナーを目指します!



生活保護ケースワーカーの仕事を取材を通して描いたノンフィクション。

まさに今のぼくの仕事です。

実はこれを読むのは二回目。
一回目はケースワーカーになったと同時に先輩ワーカーに勧められて読んだものの、半分くらい何書いてるのか分かりませんでした。

でも今読むと描かれているケースワーカーの苦悩や葛藤が痛いほど分かります。特に自信を失い社会から見捨てられた人の尊厳を尊重し、自立を助長させるという難しさに同感します。


なお、この本が刊行されたのが1999年。取材をしたのがそれよりもさらに前になります。
生活保護者の人員だけを見れば、今よりかなり少ないですが、ここに描かれているケースはかなり重いです。
特に福岡県のある炭鉱の町の事例は、暴力団が包丁で脅迫したりするのは日常茶飯事で、発砲事件が起こるなど凄惨な現場が描かれています。

そんなケースワーカーにとってすごく励まされる言葉が書いてあったので紹介したいと思います。

「戦後の歴史を振り返ってみれば、日本社会の繁栄の陰で時代に翻弄されながらも、生活保護制度がこの社会で果たしてきた役割は決して小さくない。けれど、その実施機関である福祉事務所や、末端の行政官として、堂々と仕事をしてきたケースワーカーたちに、いまだかつて光が当てられたことはない。むしろ福祉事務所はことあるごとにマスコミに叩かれ続けてきた。福祉事務所のワーカーによって支えられている人々がたくさんいるのだから、彼らの仕事の内容がマスコミであまりにもアンフェアな形で報道されてきている現状は正されるべきである。」


これが書かれたのが1994年です。残念ながら作者の意図とは裏腹に、依然マスコミはセンセーショナルな報道に終始しています。一昨年、次長課長河本の母が生活保護を受給していた問題を面白おかしく取りあげ、受給者=悪という誤ったイメージを作り上げようとしたのがいい例です。


まあ、とにかくこの本はケースワーカーの必読書です。ケースワーカーはもとより、福祉職や公務員になりたいと思ってる人にも読んでもらいたいです。
普通に生活していたら、恐らく出会うことのない様々な奇妙な出来事が描かれており、市役所の人がこんな仕事するの?って驚くと思います。








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