住友化学(4005)が今日(4/30)の早朝から下方修正のIRを出していました。

 

【2024年3月期通期業績予想の修正、2025年3月期通期業績予想及び配当予想に関するお知らせ 住友化学株式会社】

20240430_2.pdf (sumitomo-chem.co.jp)

 

子会社の住友ファーマにおける特許権およびのれんの減損損失、住友化学本体およびシンガポールの連結子会社における生産設備にかかる減損損失を計上した事によるものです。

2025年3月期の業績予想は営業利益1000億円の黒字、年間配当9円とまるで大風呂敷を広げているとしか言いようがありません。

 

 

【取締役会のモニタリング機能の強化ならびに役員異動 (代表取締役の異動)等に関するお知らせ 住友化学株式会社】

20240301_3.pdf (sumitomo-chem.co.jp)

 

と言うのも4月の取締役会の資料では会長の十倉氏、社長の岩田氏については『再任』の予定で2025年度も十倉・岩田体制が継続されるという事になります。この体制が維持される限り『絵に描いた餅』と言わざるを得ません。

個人的な予想として9月頃に1回目の下方修正、11月頃に2度目の下方修正+減配または無配のお知らせが発表されるのではと考えています。

 

 

【経営戦略説明会 住友化学株式会社】

20240430_3.pdf (sumitomo-chem.co.jp)

 

 

今回発表された経営戦略説明会の資料のうち『短期集中業績改善策』にはついては非常に熱心で堂々と4000億円キャッシュフローを確保したという実績を掲げており、今後6000億円まで作り上げる事を約束しています。

問題はそのキャッシュをいかに使うかが重要であり、キャッシュの使い道の一部が『株主の配当』になっている事は非常に疑問に思います。

この大赤字の業績にも関わらず株主に配当を支払う事に固執しており、長期的に考えればキャッシュフローを創出できる事業をいち早く構築する事ではないでしょうか?

このような資産の切り売りで毎年配当を支払い続けていても会社の価値が棄損され続ける事になり、会社に対する『背任行為』を行っていると言わざるを得ません。

 

作り出したキャッシュは再興戦略および成長戦略に関わる事業に効率的な投資を行うことが最優先であり、M&Aも視野に入れる事も必要でしょう。

またお昼のニュースでは2025年3月までにリストラ策が発表されましたが、住友化学というブランド企業で従業員の方は比較的高額の給与を貰っている方が多いと思います。残り1年で対象者がすんなりと退職に応じてもらえるのか疑問に思います。

割増退職金等の優遇措置は当然必要であり、そのあたりも6,000億円のキャッシュの使い道の一部となるのでしょうか?

いずれにしても説明不足や準備不足は否めないとしか言いようがありません。

 

 

【経営戦略説明会 住友化学株式会社】

20240430_3.pdf (sumitomo-chem.co.jp)

 

住友化学、国内外で約4000人削減へ-業績悪化でリストラや事業売却(Bloomberg) - Yahoo!ニュース

 

 

直近の住友化学の株価については2月~3月に300円付近をウロウロしていたものが、直近では350円前後と持ち直していました。

早朝の決算発表後、本日の前場では住友化学の方は見事な寄り天で前日比-8.4円の345.9円でした。

一方で今回の下方修正の対象である子会社の住友ファーマ(4506)については材料出尽くしで430円と市場は相反する評価を出していました。

 

 

 

 

個人的にはこの住友化学は買えば下がり、売れば上がるという相性最悪の銘柄であるため、昨年の大損切以降二度と手を出さないと誓っております。

今後もこのブログを通じて住友化学への投資を検討されている方に対して注意喚起は図っていきたいと考えています。