⑦先端の筋肉は限りなく細くていいの?

⑥の話を聞くと限りなく細くてもいいのではないか?と思いますね。

しかし、一つ大事なことが抜けていまして、近位の筋力発揮に対して先端の筋力が弱すぎる場合は近位の筋力に耐え切れないということが起こります。

筋力発揮の性質でゆっくり筋力発揮するほど大きな筋力が出る。早く発揮するほど筋力は小さくなる。という特性があります。

ゆっくりあげてやっと上げられる重さのダンベルを早く上げろといわれても無理ですよね?(反動を使えば出来ない事もないですが。。。)

このことから負荷が重くゆっくり動かすことの多いスポーツでは筋力発揮が大きくその分先端の筋肉も大きくなくてはならないということになります。

逆に軽い負荷で素早く動かすことの多い種目では筋力は筋力発揮が小さいため端の筋肉はそれほど大きくなくても事足りるということになります。


⑧まとめ

先端の筋サイズが大きいと

×先端が重くなり動かすのが大変

○先端の力が強くなる


負荷が軽く素早く動かすようなスポーツ(ピッチャー、バドミントン、卓球)

×デメリットの影響の方が大きく受けます。

逆に筋サイズが小さくても近位の筋力発揮が小さいので○メリットの必要性は下がります。


負荷が重くゆっくり動かすようなスポーツ(相撲、レスリング)

×デメリットの影響が小さく○メリットの必要性が大きくなります。

ここからは特に先端の筋肉(前腕、ふくらはぎ)にフォーカスを当てて考えていきたいと思います。


④手足は細い方がいい?太い方がいい?

問題です。手首に重りをつけた場合と肩に重りをつけた場合。どちらの方がより腕を動かしにくいと思いますか?

やはり手首に重りをつけた場合の方が動かしにくくなるでしょう。

体の先端に重りがつくほど、動きが制限されていきます。

筋肉も重さがあるということは前回も触れたとおりで、端の筋肉量が多くなればなるほど動かしやすさ・スピードはDOWNしてしまいます。

⇒ってことは先端の筋肉は細い方がテニスに有利?


⑤けど筋肉はある程度太くないと筋力が弱くならない?

やはり筋肉が細くなる方が力が弱くなることは確かです。

よって、細ければ細いだけ有利というわけではない、ようですね

しかし、出来るだけ先端は細くした方が有利ということは確かです。

では先端を細くして力は維持するためにはどうしたらいいのでしょうか?


⑥近位から遠位への力の伝播

さて、今まで先端の筋肉のことばかり考えていましたがテニスの動作というものは先端の筋肉だけでやるものではありませんね?

ストロークで考えてみると、腰をひねり、体を回旋させながら肩、腕を動かしていくという体全体の一連の動きによりボールを打ち返します。

もし先端の腕の筋肉だけで打ち返そうとしても、全身をしっかり使って打つストロークのパワーには到底及ばないのは想像がつくと思います。

また、その力の大半は近位(体幹、骨盤周囲など)からの筋力発揮で行われています。

よって先端の筋肉を細くしても近位からの力を伝えて、十分なパワーを出すことができるということになります。

⇒あれ?じゃあ⑤の話は何だったのって感じじゃない?細ければ細いほどよさそうじゃないか?

筋肉は邪魔だからテニス選手はあまりつけない方がいい、けれども最近のプロ選手は積極的にウエイトトレーニングを取り入れています。また大きなパワーを出すには末端の筋肉はつけるな!などとも聞きます。どういった体型がいいのだろう・・・(^^;

少し矛盾しているような気がしてたので、今回はそのことについて。


①筋肉の役割を再確認

筋肉が働く→「運動」が起こります。

運動の動力は全て筋肉ということになりますのでやはり筋肉の発揮できる力は筋肉のサイズによって決まってきます。筋肉が大きくなるに比例して発揮筋力が大きくなるということです。

⇒ってことは筋肉が大きいほど競技パフォーマンスが上がるってこと??


②筋肉のマイナス点

筋肉も、もちろん重さを持ちます。よってそれだけ体重も増えるのでそれだけ動くのが大変になります。

筋肉が大きくなるとより大きな力を出すことができるようになるが、反面重くなってしまうというデメリットをもつということになります。

このメリットとデメリットにより競技種目ごとの理想の体型が決まってくるのです。


③陸上を例に筋肉のメリット・デメリットを考えてみよう

短距離

→持久力はあまり関係なく、どれだけ短い時間で筋力を発揮できるかが第一になりますので筋肉のメリットの方がデメリットよりも大きくなります。

長距離

→持久的要素が高いため大きな筋力発揮というメリットよりは体重増加によるエネルギー効率の低下というデメリットの方が大きくなってしまいます。

筋肉が増えるほど走る速さはUP↑ 持久力(呼吸循環系)は筋量が負担となってDOWN↓