「えーーー!?ほんとに岡野君なの??」
予想外な大声だったのでニーナは慌てて真衣の口を手で塞いだ。
真衣の反応は時に素直すぎるので困ることがある。
落ち着いたころに手を離すと真衣も一息ついて考えてから
「あれ?でも岡野君ってあの日休んでなかった?」
「そう、だったかな?」
クラスメートがその時休みだったかどうかまでは覚えてない。むしろそれを覚えている真衣の方がすごいと思う。
「うん、でも…なんだかんだ言っても、あのときは助けられたし…。まだあんまり話してないけど、岡野君って…」
「岡野君って?」
その先を促すように真衣が興味津々で聞いてくる。
何を言おうとしたんだろう。自分でもわからない。でも、あのときのことを思い出せるほどに残った鮮明な記憶は、決して不快じゃない。
「ううん、まだよくわからない。でも、きっといい人な気がする」
真衣に向かって微笑みながら、正直な気持ちを言った。
「ねえ、それより、真衣ちゃんは結局、軽音部に入ることにしたの?」
「うん。入ったよー。でもさぁ‥」
ぐうぅぅぅー‥‥
突然、真衣のお腹が盛大に鳴った。
ちょっとバツ悪そうにお腹を擦ると、
「そうだ!二ーナ。帰りに中華街で肉まん食べて帰ろーよ。いいでしょ♪」
陽気に真衣は言い、仁菜の腕を強引に組むと学校を後にした。
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