天使に見捨てられた夜

                                ☆☆☆☆




女探偵ミロシリーズの第2弾!クラッカー



AVビデオの中で本当にレイプされたかもしれない女優を探し出すという依頼をうけたミロ。


読み始め、誰でも興味がありそうなAVの世界を題材にしたことに


多少の安易さを感じたあせる


が、しかし


その考えはあっという間に吹っ飛び去った。ハチ



めちゃめちゃ面白い!アップ



私は第1弾「顔に降りかかる雨」よりこっちの方が好き☆


しかもこのミロのダサさは半端ない!メラメラ


逆にアッパレ的レベル突破しちゃってます。ロケット


私の過去との共通点の多さにもビックリ!目



今回、ミロが恋しちゃうのは、なんと隣に住んでるホモ。


ゲイじゃなくて、ホモラブラブ


そのくくり、どうでもいいじゃん。と思いがちですが


どうやら、良くないらしいです。


この本の中では


男としての美意識が激しく強く、女になるのではなく


男のままなのが「ホモ」。


見も心も女性になろうとしているのが「ゲイ」。



そして、私が19の時、六本木で夜の世界へ飛び込むキッカケになったのが


普通のバーで働く、当時「ホモ」だったヒトに本気で恋しちゃったこと。(///∇//)


話の途中で首からかけていたリップクリームを小指を立てながら塗るのがかわいかった恋の矢


もちろん、1ミリも相手にされなかったけれど・・・汗



ミロは、ホモの隣人とやれない欲望のはけ口を


特別な恋と勘違いしてやっちまった“敵対する相手の男”に


見事なほど利用されてあざ笑われる。


この清々しいまでの木っ端微塵度合いが、またしても自分の過去とわずかながらリンクしてしまい


消し去ったハズの苦すぎる記憶が甦り、苦笑しました。



同士~ ココロの友よ~ ベル



AV女優リナの行方を捜すうち、次々と明らかになる彼女の暗い過去。


少しずつ紐解かれるにつれ線になっていく点と点。


自分がお腹を痛めて生んだ子供を


若かりし日の過ち、消し去りたい過去、として生きてゆくのは


なんと残酷なことだろう。


それを汚点として隠し、代わりに得た幸せというものは


それほどまで必死に守るべきものなのかな。


しがみ付くしかないんだろうなぁ。


私には時効を待つ犯罪者のように思えてならないよ。しょぼん



この本を読んで感じるのは、「性」の危うさ。爆弾


そういう意味では、やっぱり男と女は違うと思う。


男は本来、一人でも多くの子孫を残すためにせっせと種を撒き散らす生き物馬


だからって、女がどんな種でもバチ来~いおとめ座になっちゃうと


何かが減ってくんだよね・・・


「何か」、って何だよ!ってカンジだけど


その大切な「何か」が減ってくと





オンリーワンになれなくなるんだよね、一番にはなれても・°・(ノД`)・°・






                        顔に降りかかる雨

                                 ☆☆☆☆



「村野ミロ」探偵シリーズ、堂々の第1弾!クラッカー



自殺で夫を亡くしたミロがさまざまな事件を通して徐々に成長し、


半端なく魅力的な人間(探偵)になっていくわけですが


この段階ではまだ探偵業を生業にしていない。



新宿2丁目という特殊な空間で探偵をやっていた父が


引退して北海道に引っ込み、主のいなくなった事務所に居を構えていたただけの彼女が


友人でノンフィクション・ライターの宇佐川耀子の失踪により


否応無く事件に巻き込まれてしまう。


ミロの部屋に乗り込んできた成瀬という人物。


失踪前、耀子と深いつきあきがあった彼は


自分が一時的に預かった表沙汰にできない1億円という金と共に耀子が忽然と姿を消し


最後の発信相手である友人ミロが匿っている可能性を指摘する。


あらぬ疑いをかけられ、プライバシーも犯され、詰られ脅されながらも


危うい男性的魅力溢れる成瀬に惹かれてゆくミロ。



このシリーズのもう一つの見せ場は、SM死体マニアなど


日常的ではない世界への興味と共に、ミロの恋愛や性愛にあるといえる。



そもそも私たちのルールでは友達と寝た男とやったりしないパンチ!


それは私自身の美学でもあるしポリシーでもある。


(姉ならまだしも妹になるなんて・・・考えられない叫び)笑


「やるのは1グループに一人まで!!」というのが


友人関係を円滑にする最低限のルールだと思うからだ。


だから暗黙のルールを破り、手を出しまくる人間を信用しないし


その逆(私が友達の男に惹かれた)でも


自分の気持ちを悟られないように黙殺する。



今、女性の間だけでヒソカにブームになっている


アメリカ合衆国発のテレビドラマで、レズビアンやバイセクシュアルの女性達を中心に据えて、


その生の有様を描く群像劇「Lの世界」(私も例に漏れずハマッます)では


セクシャル系相関図(一過性のものも、長期にわたるもの、永続するものも含め)で


関係を持った者を線で結んで行くと、数本目の線で再び自分につながってしまうという


まるでブーメランみたい隣の隣はみな兄弟☆というミラクルな世界もあったりしますが・・・



その点、ミロはかっこいい女性像が探求されるハードボイルド女探偵物とは思えないほど不恰好あせる


そこが生身で人間臭く、共感を呼ぶのは間違いないんだケド(・・。)ゞ



二度と思い出したくない、誰にも知られたくない恥部的記憶。


それをミロに重ね合わせ私自身、ほっとしているのかもしれない。



シリーズを通して彼女は危なっかしい何かが欠落している男に惹かれる傾向があるようだ。


ダメな男ほど魅力的!説には私も深く賛同する。得意げ



そしてこの作品でも著者桐野夏生の手腕に舌を巻くことになった。


前半にありとあらゆる種をまき、すべて立派な大木に成長し、


最後はきっちり微塵の矛盾さえ与えず刈り取ってくれる。


清清しくさえある。



この作品は第39回江戸川乱歩称を見事受賞!ロケット



あとがきで香山二三郎氏は、応募作に枚数制限があるこの賞で


ここまでの世界観を表現したことを賛辞した。


へえ、文字数制限とかも考慮して制作したんだぁ目と新たな発見!


この余計な手間をカットする上で一番の功労者は


私の大好きは少女漫画に登場する美少年のように麗しきカール兄弟、弟の活躍の賜物♪恋の矢


短篇集「ジオラマ」でカール(兄)が活躍したのは記憶に新しいところ(私の記憶ですが・・・)


耀子を探す上でキーとなるドイツ、ベルリンでの事件。


本当だったらミロ自身が出向いてページ数を費やすところ


カールの報告だけで見事にカバー。


さすがだわ、カール♪ラブラブ



またいつか逢えるといいな・・・

                        ゲルマニウムの夜

                                ☆☆☆☆



険な、危険な小説だ爆弾



何度読み返しても、足の先から頭のてっぺんまで


鋭く尖った、強大な負のイメージが私を根底から劈く。ドンッ



ただ、出会わない方が幸せだったかもしれない。ダウン



一度読むと、2度と手にしたくないと逃げ出したくなるが


時がたつにつれ、また再びその強烈な陰の世界に身を投じたくなる。



人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。


修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒瀆と倫理の狭間で揺れる日々。


目指すは、僕の王国----世紀末の虚無の中、<神の子>は暴走する。


問題作であることに違いはないが、


読み返すうち、絶頂感にも似た快感が訪れるようになって来た。



先日、芥川賞の選考で才溢れる美しき川上未映子をこきおどした


じいじい・石原慎太郎をでさえ、本書で同じく第119回芥川賞を受賞した際の評で


「まさに冒瀆の快感を謳った作品。


主人公の徹底したモンモラルは逆にある生産性をさえ感じさせる。」


と、手放しで絶賛したクラッカー



ただ、どうしても許せないのは


何の躊躇も、大した理由もなく2人の人間を殺し、


思うがままに人を傷つけ、修道女の貞操を奪う朧が


本物の悪魔ではない、ということだ。



善悪の判断が付く人間に暴走されたら、もう殺してしまうしかないのだろうか・・・



そしてもう一つ、私の中にも朧と同じ陰が巣食っている。


時として姿を現すそれにいとも簡単に支配されてしまう。


大切であればある程深く、傷つける。


傷つけずにいられなくなるのだ。


それはとても、とても恐ろしい。