夕暮れまで

                                 ☆☆


敬愛する桐野夏生氏のエッセイ、白蛇教異端審問の中で


桐野氏本人のオススメではないが、吉行淳之介に異常なほどドップリ浸かっている友人の話があり、


まるで信者のように心酔しまくられる作家はどんな本を書いているのだろうという興味


すごい昔、HNK連続テレビ小説「あぐり」を祖母が楽しみに観ていた事を思い出し


あぐりの長男として生まれた彼の作品を手にとりました。


が、


。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。 しかしっ



精神的オナニストかお・・とでもいいますか、


想像力豊かで進んでゆく流れを、その情景を、頭でイメージできた人には


とても素敵な小説になったと思います。


私には、それができなかった・・・ダウンダウンダウン


けれど、「吉行淳之介には熱狂的な信者が存在する」理由も

わかるような気がしました。



若い男女のパーティに、幾人かの中年男が招かれる。


その一人、佐々は会場で22歳の杉子をホテルへ誘う。


処女だという彼女は、決して脚を開かせない代わりに、


オリーブオイルを滴らせた股間の交接、フェラチオ、クンニリングスは


少しも厭わない。


こうして中年男と若い娘の奇妙な愛は展開していく。




性を主題に精神と肉体の関係を探り、


人間性の深淵にせまるような作品を得意とするイメージがあったのですが


特にこの作品は、性描写があってもそれは決して「エロキスマークというたぐいのものではなく


もっと、ぼんやりふわふわとしているようで


実は、ルーティンな毎日を生きている誰もが持っている人間の本質


垣間見せてくれているような、不思議な世界でした。



実は私もヒソカに願っています。グッド!べーっだ!


心底自己中心的な私を限りなく受容してくれる唯一の存在である


カンペキな旦那さまがいながら


心のどこかで、「燃えるような恋がしたいメラメラなんつって。

今までお腹いっぱい遊んできたので


ここに来て突然の原点回帰はてなマーク純愛希望!?


何か最近私の周りの大人たちが方々で同じようなことをのたまっている気がします・・


「ややこしい」ことが愛だと思っていた昔とはちこ~っと違うんです。


だからといって、気持ちの通わない関係はもっとイヤぁ(ノ◇≦。)


「おめぇが一番ややこしいんだよプンプンDASH!


なんてツッこまれそうですが

だからこそ、今、

恋愛にあこがれ、プラトニックに萌えるのかもしれません。


いづれにせよ、吉行淳之介初心者の私が初めて読むには

格別にむずかしい作品でした。あせる

                       明日もまた生きていこう

                                 ☆☆☆☆☆



はっきり言って、☆の数なんかで評価できません。


ただただ、すごい手記です。

横山友美佳さん。


1987年3月2日 に北京で生まれる。


10歳で日本へ移住し、その後日本国籍を取得。


恵まれた長身を活かし2004年高校2年生で全日本代表に初選出。


同年7月に開催されたワールドグランプリに最年少メンバーとして出場、


9月にはアジアジュニア選手権準優勝。


尊敬する、そして仲のいい親友でもある木村沙織選手らとともに


生まれ故郷でもある北京のオリンピックを夢みていたが


し2005年3月に、すでに骨髄にも転移しているステージ4の癌と診断される。


バレーボール一筋だった人生から一度は夢を絶たれたかのように思えたが


「大学進学」という新たな目標を見つけ、


国立がんセンター中央病院内の学校にて早稲田大学を目指し、


手術・抗がん剤治療・放射線治療などを乗り越え、見事合格。


そして、新たな夢の第一歩を歩き始めるも、癌再発のため6ヶ月で自主退学した。


2008年4月17日、横紋筋肉腫のため永眠、享年22(満21歳没)




この手記の末尾は「2008年4月1日 横山友美佳」と締めくくられていました。


亡くなるほんの少し前です。


「本を出版する」という最後の最後の夢を叶えるため、


残された力を振り絞って書き上げた命の叫びは、私の奥深くまで突き刺さりました。



*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:



私自身、27歳の時に子宮腺癌を経験しました。


早期発見が出来なかった為、子宮と卵巣の全摘出をしないと命の保証はないと言われました。


だけど私は、可能性がゼロではないのなら、卵巣だけはとりたくない、


いつか愛する人との子供を儲けたいと切に願いました。


しかし、父親に


「自分はこの歳まで辛いこともあったけれどすばらしいこともたくさんあった。


 お前にも私の歳まで生きて、これからもっともっとすばらしい経験をして欲しい。


 まだ見ぬ子供よりも、今、お前の命を失って欲しくない」


と言われ、決断しました。

自分の体の中にガンがあるという恐怖。


それに、闘病生活は想像を絶する痛みを伴いました。


もう一度戦えるか、と問われると正直自信ありません。


今は日常生活に戻り、年々体は回復していきますが


体には大きく消えない痕が残り、精神的な回復はほど遠いものでした。


入院中に綴った日記帳は今も開くことができません。


*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:


しかし彼女は


「これは一度きりだからこそできた、もう二度とできない」と思いました。


しかし、再発したら、生きるためにやるしかありませんでした。


三回目だってやりました。


もちろん「すごく生きたい」という大きな目標があるからです。


と記していました。



思い出、記憶は永遠に残すことはできるが、


現実の味わいはほんの一瞬一瞬で過ぎてゆく。


つかんだ瞬間がすでに去って行ったことを意味している


だから一瞬一瞬を大切に生きて


この本の中には、驚く程たくさんの夢や希望、


そして溢れんばかりのパワーが詰まっています。


決して作家さんのようなプロの文章とはいかないけれど


だからこそ嘘偽りの欠片もない「もっと生きたい。命を守りたい」という


友美佳さんの真っ直ぐな叫びは手にした人たちの深部へ響き渡り


これから何度も何度も読み返すであろう


私の大切な本になりました。

                       リアルワールド

                                 ☆☆☆



桐野夏生必勝パターン、性格の異なる4人の女性が主となる物語ですかお音譜



高校三年の夏休み、ホリミンナこと山十四子は何かが割れる音を耳にした。


それは同じ歳でエリート校に過う隣の息子、ミミズが母親を殺した時の音だった


盗まれた自分の携帯電話を通して逃亡する母親殺しのミミズとつながる。


そして、孤独なミミズはその携帯を使いホリミンナの友人に電話をし、


テラウチ、ユウザン、キラリンを加え同じ高校にかよう4人の少女たちが、


ミミズの逃亡に関わることになった。


通報をしなかったホリミンナ。


逃走用の携帯と自転車を差し出したユウザン。


遊び半分、興味本位な冒険のつもりでミミズに同行するキラリン。


冷静なテラウチは三人の行動が許せない。


それぞれに悩みを抱える彼女たちのリアルワールドは


取り返しのつかない結末を迎える。


中学高校時代って、どんして皆あんなに


心むき出し、丸出しだったんだろう。


甘皮一枚すらまとっていないカンジあせる


何気ない一言に傷付いて、死ぬほど悩んで。

「人と違う」コトなんて絶対誰にも打ち明けられなくて。


思い返すと毎日が戦いでした。(@Д@;


そんな微妙な心境って、理由理屈じゃないから説明が付かないものだったり、


感受性はめちゃめちゃ強いくせに怖いものしらずだったり、と


暴走機関車のような顔を見せる反面、


ビードロの底なみにパリンとすぐに壊れてしまう危うさ・・・


それが桐野夏生の手にかかるとこうなるんだな、と納得の一冊でした。ニコニコ



ちなみに、表紙カバー絵は13歳で精神遅滞と判断され施設送りになり


親類も友人もなく雑役夫として働いた病院と教会を行き来するだけの


貧しい生活を送った孤高のアウトサイダーアーティスト、ヘンリー・ダーガーの


「The Sacred Heart of Jesus」という有名な作品で、


1973年、シカゴでひっそりと息を引き取った後、40年を孤独に暮らしたアパートから


「非現実の王国で」と題した15,000ページを越える小説の原稿と


数百枚の挿絵が発見されたそうです。


彼の絵には男性器を持った少女が登場するが、


それは女性を見たことがなかったのではないか、とか


情念と少女の違いを知らなかったからでは、などと言われているみたいですね。


調べていくうちにものすごく興味を惹かれ


アカデミー賞受賞歴のある監督ジェシカ・ユーにより


自伝を引用しながら伝説化するダーガーの生涯と創作の秘密を丹念に炙り出す


「非現実の王国で ヘンリー・ダーカーの謎」という


異色のドキュメンタリーが存在するみたいなので早速探したいと思います。


しかも、結構魅力的な映画のwebサイト(http://henry-darger.com/ )までありました。



何にせよ、桐野夏生作品を読むのに少し疲れちゃったので


また、ちょびっと放浪の旅に出ようと思います。得意げダウン