収穫2025 その10 ──西へ西へと走る── | Everyday People Dance To The Music

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日々人は音と共に踊る

朝8時の新幹線に乗って、東京着がお昼前。





そこから新宿駅周辺のブックオフ、ブート屋、ユニオンを回って、夕方に宿にチェックイン。



……独房ではない(苦笑)。少し休憩した後でライブに向かう。



ライブ後店を出ると土砂降りだったので、やむなく近くのコンビニで傘を買って宿に戻る。ビール飲んで就寝。









翌日は朝から国会議事堂→皇居→武道館→靖国神社をほぼ徒歩で回る(苦笑)。武道館では東大の入学式。





零戦を見に来たくらいの軽い気持ちで入った遊就館で精神を持って行かれる。今回の旅の中で、恐らく最も「敬虔な気持ち」というものに近づけた時間だったのではないかと思う。



で、昼食後にお土産買って新幹線で帰る……慌ただしすぎるというか、何故僕の遠出は苦行にしかならないのだろうかと(苦笑)。



で、旅の総括がここまで遅れてしまったのは、正直書くのが億劫だったというのもあるけど、買った盤を今回はちゃんと聴いてから書きたい、というのがあって。
というわけで、ここで今回の収穫。



No.012:Led Zeppelin『Tour Over Zurich』 ¥1000
一年半ぶりに回ってみた新宿の品揃えは、良くも悪くも大きく変わってはいないような気がした。ブート屋は特に。
一応欲しい日付の盤もあるにはあったのだけど、値段が折り合わず……ここで「せっかくだから」に走らなかったのが、果たして良いのか悪いのかと言ったところ。


Led Zeppelin Live - In The Evening - Zurich, Switzerland (6/29/80)

まあそれで言うと、この盤も「せっかくだから」なのだけど(苦笑)。ツェッペリン最後のヨーロッパツアーは、音源は多いものの演奏は総じて低調なのだけど、まあ一つくらいはまともな音源を持ってても良いかもね、この値段だし、と言う感じ。


LED ZEPPELIN Trampled Underfoot (STAGE SOUND) Zurich June 29, 1980 #ledzeppelin

音は良い。でも、まあ、それだけって感じ。メンバー全員色々あったせいもあって、もう全盛期のようなエネルギーの放射を感じられない。ジョン・ボーナムが亡くならなかったとしても、70年代と同じポジションには居続けられなかっただろうな……大物ではあっても、王者ではなくなっていたかな、と。
そんなことを思いながら聴くツェッペリンも、しかし思いの外悪くない。



No.013:Herbert Von Karajan: Berlin Philharmonic Orchestra『Schoenberg: Verklärte Nacht; Brahms Symphony #1』 ¥780
ユニオンの新宿クラシック館は、前回あまり見た記憶がない。あの時はプログレ漬けだったからなあ……。
品揃えは、まあ良いんだけどもう一声という感じかな。この盤みたいに、梅田で見かけた時より安い値段で置いてあったぞ、なんてのも良いけど、もっとこう、心躍るような何かが欲しいなという所。


Brahms Symphony No.1 in Cm, Op.68 - Karajan's last London concert (1988)

結果的に最後のコンサートになってしまったというシチュエーション、トラブルでリハーサルが行えなかったという悪条件、そういった予備知識を踏まえなかったとしても、冒頭からのティンパニの響きはただ事ではなく聴こえる筈だ。
ただ、その響きが演奏そのものに由来するのか、録音によって付加された部分がどの程度あるのか、などという事をどうしても考えてしまう自分がいる。素朴な気持ちで「名演!」としておいても良いとは思うのだけど。
この数か月前の日本でのラストコンサートと比較した時の評価も、結構人によって分かれるところがある。当然聴き比べたいとは思っているが……しかしカラヤンのブラ1だけで何枚買うつもりだよと(苦笑)。デッカ録音のウィーンフィル盤も欲しい所だし……。



No.014:Sergiu Celibidache: SWR Stuttgart Radio Symphony Orchestra『Brahms: Symphony #1』 ¥580
チェリビダッケのブラームスで言えば、本当はミュンヘンフィルとの第4番のライヴ盤が気になる所ではあった。ただ、今は第1番を聴きたい気分と言うか何と言うか。


Brahms - Symphony No.1  Celibidache Stuttgart

70年代のシュトゥットガルト放送響との演奏は、晩年のそれとは違って常識的なテンポで端正な演奏である、というのが一般的な評価。実際それは間違いないだろう。
ただ、第1楽章序奏部の全弦楽合奏から木管に移る際の最後の一音を、他の演奏ではダン!と踏み込む所を、この盤ではデクレシェンドしてフワッと着地しているのが独特だなと。ミュンヘンフィルとの演奏でも若干そういう傾向があるように聴こえたけど、ここまで顕著ではなかった。
ケーゲルの『巨人』についても思うことなのだけど、総体としては端正な演奏でも、部分部分を細かく聴き込むと何かおかしなことやっとるみたいな例は結構あるというか、むしろ普通そういうものなのか? それこそがクラシック音楽の楽しみの一つなのかも知れない。



これくらいのことを書くのにもなかなか骨が折れる(苦笑)。心身共に疲れがまだ取れてないな。
それでも、また次の遠出の事を考え始めていたりする。基本的に僕はそういう人間である。