収穫2024 その21 ──めぐるめぐる季節の中で── | Everyday People Dance To The Music

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日々人は音と共に踊る

待ちに待った2連休なので遠出はしたいが、ほぼ確実に雨が降る予報。泣く泣くバイクは諦めてドライブと洒落込むことにした。
……総走行距離200km超(苦笑)。毎回楽しみにしてたりするんだけど、冷静に考えるとただの苦行なんよ……。

というわけで、ここで今回の収穫。



No.039:Teodor Currentzis: MusicAeterna『Tchaikovsky: Symphony #6 "Pathetique"』 ¥990
いつものブックオフ(とユニオン)巡回だったわけだけど、別段買いたいものとか無いよなという感じではあった。積読はなかなか減らんし、聴く方はちょっと故あってマーラーの3番に集中したい感じだったし。
とは言え、実際に行ってみると気持ちが動くという事はままあるわけで。ままならないわけで。


Symphony No. 6 in B Minor, Op. 74 "Pathétique": I. Adagio - Allegro non troppo

録音が2015年で、発売が2017年。手持ちのクラシックの音盤では最も新しい……と言いたいところだけど、岸田繁の2枚があったわ。今聴き直してみても良いかも知れないな、少なくとも初聴きの時よりは聴く耳がある筈だから。
テオドール・クルレンツィスという名前は、『運命』の最新版の演奏をということで調べていた時に目にして、結構気になってはいた。というか、その『運命』の盤も見つけてはいたのだけど、まあ値段が……ね。


Symphony No. 6 in B Minor, Op. 74 "Pathétique": II. Allegro con grazia

基本的には透明感のある音像、弱奏からの強奏への振れ幅の大きさが主な特徴かな。細かい音楽の解釈まで言うことはできんけど、独特だというのはわかるし、なるほど新しいという感じはする。
『悲愴』で一番好きなのは第2楽章なのだけど、正直これは一番好みの解釈というわけではない。もっとこう、後ろ向きな感じの方が良い。
でもこれはこれで良いなあとも思う。こういう明るい感じの演奏にもちゃんと理由があって、なるほどなとなる。


Symphony No. 6 in B Minor, Op. 74 "Pathétique": IV. Finale. Adagio lamentoso

所々ノイズが入ってて、盤質の問題かと思ったらどうもそういう仕様であるらしい。
録音から一悶着あって、時間を経ての発売という経緯を見るに、或いはそれも何かの意図があってのものなのかと思わずにはいられないのだが。

クルレンツィスという人は、ざっと調べただけでも賛否両論・毀誉褒貶がわかれていて、演奏も然ることながら生き様が興味深いと感じる。
ムジカエテルナというオーケストラが現在の世界情勢によって活動できなくなっているのは残念だけど、とりあえず録音は追いかけたいと思うし、実演の機会があれば何とか……したいなあ。



No.040:Sergiu Celibidache: Munich Philharmonic Orchestra『Schumann: Symphony #2; Brahms: Haydn Variations』 ¥330
最初の2軒で立て続けに2枚収穫して、今日はえらいことになるかも知れんと思ったのだけど、あとはサッパリでした(苦笑)。ユニオンとか特にダメだった気がするなあ……クラシック館じゃなくて、本館の方がね。まあそういう日もあるよ。


Schumann - Symphony No 2 - Celibidache, MPO (1994)

チェリビダッケ・ミュンヘンのシューマンは、第1番の正規録音が無いからこれで全部ということになるか。
例によって遅めのテンポ。比較対象がセル・クリーヴランドだから余計にそうなのだけど、細部の表現の繊細さと、所々で斬新な響きを出してくるのは流石というところ。ただ第2楽章に関しては、セルの風を切る音が聞こえるようなスピード感の方が好みだな。

「皆何も解ってない、オレだけがわかっている」というのは、チェリビダッケとクルレンツィスに共通するマインドだと思う。その曲解釈を、手兵とも言えるオーケストラに徹底的に仕込んでいく点でも共通しているのではないかと。
突き詰めれば、良い音楽というのはそういう所に生まれるのかも知れない。そういう所にしか、とまでは言わないけど。



さて、次の連休は月明けか。
バイクを出したいが……雨が終わってても、暑さがやってくるんだよな……。