収穫2024 その5 ──僕が僕らしくあるための── | Everyday People Dance To The Music

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日々人は音と共に踊る

もうさっぱりやる気が出ないので、さっさと片付けてしまおう。
というわけで、今回の収穫。



No.009:Wilhelm Furtwängler: Berlin Philharmonic Orchestra『Tchaikovsky: Symphony #6 』 ¥792
和歌山ラーメンの店が開くまでの純然たる時間潰し、の筈だったんですけどね(苦笑)。まあそういうこともあるよ。

『悲愴』に関しては色々聴いてきたけど、傾向としてはロマン主義の香りが残る年代物の録音の方が好みに合ってるのではないか、というようなことを前に書いた。
そこで念頭に置いていたのは、例えばメンゲルベルクとかアーベントロートだったのだけど、フルトヴェングラーもまあ当てはまるのではないかと。


フルトヴェングラー, BPO/チャイコフスキー《悲愴》(1938年録音) 独Electrola盤復刻

正直まだ満足には聴けてないのだけど、ベートーヴェンでは気になったテンポ操作が、そこまで気にならなかったと思う。少なくともこの曲には合ってるんだろう。
もう少し聴かんと評価はできんけど、やっぱり方向性としてはそういうことだよなと。



No.010:Hermann Abendroth: Leipzig Radio Symphony Orchestra『Schubert: Symphonies #8 & 9 』 ¥680
ここからはユニオン。……我ながらしかし、旅行帰りにユニオンかよ(苦笑)。まあユニオンのために旅行するよりはマシか(苦笑)。

前項で突如降って湧いたアーベントロートという名前。以前から洋泉社のムックで読んで気になってはいたのだけど、年始に行ったブックオフで『悲愴』の盤を見かけてて、その時はスルーしたけど次見たら買うぞと思ってた……結論から言うと、既に無かったわけだけど。


Schubert Symphony No.9(8) in C major,D944"The Great"(Abendroth 1955 Berlin)

シューベルトの特に『グレイト』に関して、僕は一言で言うなら「飽きない退屈」だと思う……どこかで聴いたフレーズだと思って調べたら、遊佐未森だったとは。
一応盛り上がりや見栄を切るような部分もあるのだけど、総じて何か良い感じのメロディが取り留めも無く続いて、また尺も長いからいつまでも終わらない感じがする。クナッパーツブッシュ盤の終楽章とか、テンポが遅すぎるせいか進行感が無くなって中空に浮いてるような感覚になったのを覚えている。

で、アーベントロートのこの演奏は言うなれば「面白きこともなき世を面白く」という感じ(笑)。起伏が無いのならテンポ操作と演奏の強弱で作ってしまえばいい、というのを、結構極端な感じでやってるように思う。
特に第2楽章の後半、思いがけない所でとんでもないテンポアップがあって、何回聴いてもちょっと笑いそうになる。マジかよ、と思ったところで急停止、の後に遅いテンポでメロディを歌わせると。
つまり減速を強調するための加速とか、強奏を際立たせるための弱奏が多くて、聴いてたら「おっ来るぞ来るぞ……はい来た!」となる。面白いんだけど、シューベルトにそれはあんまり求めてないかな。

そういう演奏は、『悲愴』には合うんじゃないかと思う。前に買わなかったのは……いやまあ仕方ないか。そのうち出会えるさ。



No.011:Vladimir Horowitz; George Szell: New York Philharmonic Orchestra『Tchaikovsky: Piano Concerto #1, Violin Concerto』 ¥380
前回ユニオンでセルのシューマンを買った時もそうだったのだけど、何か見つけられる気がして見てみたら実際見つかったのがこの盤。
こういうことがあるからユニオン通いはやめられないし、だからまあアーベントロートの『悲愴』もどうせそのうち、という気分になってしまう。

ホロヴィッツとセルのチャイコフスキーについても、洋泉社のムックで読んで気になってはいた。
いわゆる、喧嘩セッションであると。実際に演奏前に揉めたという話は本当かどうかわからんが、特に第3楽章で互いに煽り合うようにテンポが上がって、最終的に演奏が破綻してしまうという。


Piano Concerto No. 1 in B-Flat Minor, Op. 23: III. Allegro con fuoco (2013 Remastered Version)

まあそう言われてみればそう、かな。最後は確かに何かぐだぐだっとした感じにも聴こえるか。


Horowitz and Toscanini in 1941: Tchaikovsky's Piano Concerto No. 1 (3rd mov.)

トスカニーニとの演奏。
正直、聴いて感じる熱量としてはスタジオ録音のこちらも遜色はないし、その上でフレーズはより明晰だし、普通に聴くならこっちじゃね? と思うが。まあ飽くまで現時点での感想ね。
あ、メニューインとフリッチャイのヴァイオリン協奏曲が入ってるのを忘れてたや。全然聴いてないからコメントなしで(苦笑)。



まあ、色々鑑みて悪くはなかったというべきなのかな、と。しばらくは手持ちの盤の聴き比べに勤しむとしよう。