■睡眠について(体内時計と光療法)


うつの人にとって睡眠は大きな問題の1つのはずです。

寝付けない、過眠、浅い眠り、早朝覚醒といろいろあるでしょう。



人間の睡眠のリズムには、


メラトニンとアセチルコリンが関係しており


睡眠リズムが乱れるとホルモンが乱れて


うつの原因の一つになります。


睡眠のリズムは整えなければなりません。

『12時前には必ず眠り、7時か8時には起きる』

このような睡眠リズムがとても大事です。

睡眠リズムの狂いは私たちが思っている以上に

体にダメージを与えています。

私の経験から言っても、昼夜逆転していた生活を


改めたことでうつ病の症状が大きく和らぎました。


(しかし、これが一番苦労しました。)




脳内物質や自律神経が乱れる、


最大の理由の一つは、睡眠の乱れです。

ですから、長い昼寝も夕方寝るのも
夜寝れなくなりますし、


また、夜更かしもホルモンバランスが崩れるからダメなのです。



昼間は10~15分の昼寝以外、絶対に起きていましょう。

また、15時以降の昼寝は夜の睡眠に


影響が出るのでしない方がよいでしょう。



安眠の方法


1.いつも同じ時刻に起きる

2.目覚める少し前から、部屋を明るくし、光を取り入れる

3.やさしい声で名前を呼んで起こしてもらう

4.冬は、目覚める少し前から室温を上げる

5.目覚めた後に、軽いストレッチをする

6.目覚めた後に、熱めのシャワーを浴びる

7.朝食をきちんと食べる


参照






2番にあるように人間は、光の量で朝か夜かを判断します。


自律神経が働いているのですが、


眠りに支障がある人は体内時計が狂っていると思われます。


人工的に光を浴びることで強制的に体内時計を


正常に戻すためのライトが発売されています。






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これは光療法と呼ばれるもので、一定の効果が期待できます。


筆者も治療の当時、たまたま無料で試せる機会があり、


睡眠のリズムを戻すのに非常に役に立ちました。


http://portal.lighttherapy.jp/patient/post_111.html


また、睡眠ではメラトニンというホルモンが


夜に分泌されることで眠くなるようになっています。


このメラトニンというのをサプリメントで補うこともできます。


【うつ病克服】心を回復させるサプリメント


http://ameblo.jp/s0-what/entry-10014704666.html










■アルコール・コーヒー・タバコについて


うつとの明確な関連は見出せませんが、


過度のアルコールは肝臓に負担をかけ、


依存症に陥れば、それは脳の問題だと言えるでしょう。


(「依存」は脳が快楽を求め理性が利かない状態です。)


脳の問題でこれ以上の負担はかけない方が良いでしょう。




・コーヒーの問題点はやはりカフェインです。


(茶類に比べてカフェインの含有量が多いことから)


カフェインは体からビタミンC・カリウム・亜鉛・その他のミネラル、


特にイノシトール(アセチルコリンに作用)などを奪います。


参照



また、覚醒効果があるというとうことは


メラトニンによる睡眠リズムを崩しかねません。




・タバコが体に良くないことは明白ですが、


うつに関して言えば、カフェインと同じく


ビタミンB6、C、カルシウムの多量消費があげられます。


せっかく補給した栄養素を消費しては意味がありません。




砂糖・コーヒー・アルコール・タバコなどの


嗜好品を止める、もしくは減らすことは


多大なストレスになりますし、


とても根気を要し、困難を伴います。





しかし、長い目でみれば、これらをやめることが


うつ病を治すだけでなく健康に繋がります。


少しづつ減らす方向で考え、何より、うつ病を


克服することを最優先することが大事だと思います黄色い花








■運動について(運動療法の絶大な効果)


運動は非常に効果的です。





例えば、1985年に発表されたノルウェーの精神科医


エギル・マーチンセン氏の臨床試験があります。


この試験は日常生活を送るのもままならないほどの


うつ病と診断された49人を半分に分け、一方は1週間に


3日、1時間程度ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動を、


残りの半分はその時間に作業療法を行うものでした。




すると9週間後、有酸素運動のグループの男女は


作業療法のグループよりもうつ病に大幅な改善が見られたのです。


また、デューク大学医学部ジャームズ・ブルメンサル教授は、


有酸素運動のみを行ったグループ、抗うつ薬を服用したグループ、


抗うつ薬と有酸素運動を併用したグループに分け、


4ヶ月間の治療効果を比較しました。すると、有酸素運動のみを


行ったグループの回復率が最も高いことがわかりました。


さらに6ヶ月後の再発率は、有酸素運動のみを行ったグループが


最も低いこともわかっています。




有酸素運動は脳にいいではなぜ、有酸素運動などのエクササイズが


うつ病を改善するのでしょうか?




まずひとつが、脳に対する効果です。 運動をすると、


脳内のセロトニンが増えると考えられています。


セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からつくられますが、


通常トリプトファンがアルブミンというたんぱく質とくっついているため


「血液脳関門」という脳に入るための関所を通ることができません。


しかし、運動をすることによって、体内での脂肪の分解がすすみ、


血液中に遊離脂肪酸が増えると、アルプミンはトリプトファンを手放し、


遊離脂肪酸とくっつきます。 すると、トリプトファンは「血液脳関門」を


スムーズに通過して、脳内に入ることができ、セロトニンに変換されます。


現在あるセロトニンを有効活用しようとする抗うつ薬と違い、


運動には脳内のセロトニンを増やす効果があるというわけです。




また、脳内にはBDNFという物質があり、それがニューロンの


成長に関わっていますが、運動をするとそのBDNFの量が増えて

ニューロンが成長し脳が大きくなります。




このようなことから脳の機能を正常化させる強い働きが


運動にはあります。




うつ病の程度にもよりますが、負担にならない程度に、


できる範囲で体を動かすことをスタートさせましょう。




ストレッチでも体操でもヨガでもいいです。


水泳でも、ランニングでもウォーキングでもいいです。




ムリしてはいけません。できる運動をほんの少しだけ。


ぜひ、治療として「運動療法」を取り入れてみてください。




そのための知識として以下の書籍を紹介します。


運動がもたらす脳への影響、ストレスの除去、


脳の機能の活性化、脳内物質の安定等いろいろと


知ることができます。





脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方


ジョン J. レイティ エリック ヘイガーマン

日本放送出版協会

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