■ うつ病のメカニズム1
このブログの趣旨という記事に記載している通り、
うつ病では3つの問題が脳の中で起こっています。

 1 神経伝達物質の乱れ・異常
 2 扁桃体や海馬における脳細胞の死滅・萎縮
 3 脳の活動におけるアンバランス・異常

当然、うつ病の辛い症状を考えると、心の病と言えますが、
しかし、クスリの働きや、うつ病の患者を撮影した脳画像によって
うつ病のメカニズムが判明してきました。

(参照)

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脳画像でみる「うつ」と「不安」の仕組み
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上記3つの問題を以下の通り解説していきます。




■ 1 神経伝達物質の乱れ・異常

脳は神経細胞の集まりであり、その神経細胞の間を行き来する
 ・セロトニン
 ・ドーパミン
 ・ノルアドレナリン
 ・アセチルコリン
などの神経伝達物質の分泌量によって心の状態が決定されます。

現在主流の抗うつ薬であるSSRIとSNRIは、
セロトニンやノルアドレナリンの「伝達効率を上げる働き」
目的とする機序作用です。参照 

逆に言えば、この薬の作用の仕方を考えてみると、
「 心 」という現象に脳内物質が深く関わっているということを
理解できるのではないかと思います。



■ 2 扁桃体や海馬における脳細胞の死滅・萎縮
うつ病の症状で見られる、感情の抑制が効かなくなることや、
記憶力が低下して物覚えが悪くなる原因であると考えられます。

また、情動を司る扁桃体記憶を司る海馬の細胞の死滅は、
以下の松澤医師のHPでは詳しい記載があります。


・松澤大樹医師のHP
・扁桃体について(Wiki)
・扁桃体について
・海馬について


■ 3 脳の活動のアンバランス・異常
次に、脳の部位によって活動が過剰に活発化していたり、
逆に極端に低下してしまっている問題についてですが、
意欲、性欲、食欲、睡眠などの本能的な情動を司る
深部大脳辺縁系(扁桃体含む)や、意欲や動機などと関係する
前帯状回、感情や学習などと関係する基底核などの部位では、
活動が過剰となってしまう半面、理性を司る前頭前野では
活動が低下してしまうといったことが起こっています。
うつ病でイライラが静まらなかったり、集中力や思考力が
欠落したりするのは、神経伝達物質の低下と合わせて、
こういったことが原因となっています。

←左サイドバーで掲載しているダニエルエイメン医師の著書、
 「 脳画像でみるうつと不安の仕組み
 「 脳画像で探るうつと不安の癒し方
を参考にしてください。

ダニエルエイメン医師はSPECTという脳の血流を可視化できる
検査機器を用いてうつ病患者の脳を観察したところ、
端的に言えば、理性を司る部位の活動が非常に低下する反面、
感情や原始的な欲求に関わる部位の活動が過剰になっている
ということが分かるようになってきたのです。

まさに、うつ病の症状と脳の活動が一致しているの
この研究の成果は非常に意義のあるものだと考えています。

このダニエルイエメン医師の診断方法と治療法について
指導を受け日本国内で実践しているのは、

 
・B-Rainクリニック(横浜)【推奨クリニック/エイメン式】 
 ・ランディック日本橋クリニック【SPECTによる脳診断を実施】 

この2つクリニックしかありません。
(当ブログではB-Rainクリニックを推奨しております。)




■ まとめ
そもそも私たち人間というのは、喜び・怒り・悲しみ・楽しさ、
不安・嫉妬・恐怖・焦りなどいろいろな感情を感じる存在ですが、
これらは、『は~胸が痛い・・』と感じても心臓が感じるわけではなく、
全て『 脳 』という臓器が生み出しているものです。

その『 脳 』が健康で活発であれば、喜怒哀楽という
言葉の通り、
本来、人間の心は『多感』なので様々な感情が湧いてくるものです。
しかし、うつ病という『心の病』にかかるとプラスの感情の
喜びや、
嬉しさ、
楽しさを失い、マイナスの感情で支配されます。

これは本来、「多感」である人の心がマイナスの感情だけに
なるというのは不自然であり、明らかに異常と言えます。

ですから、心を司る脳という臓器、
もっと言えば、脳内の物質と細胞、そしてその活動を、
正常に戻してあげれば、 本来の豊なあなたの心にもどります。
その過程で必要なのは分子整合医学に基づく栄養療法です。