2015年の8月、とある方からの紹介で人前で講演をすることになりました。その講演内容とは「なぜ日本人技術者が海外ファッション業界で評価されるのか」。自分自身も海外で働く前、ヨーロッパには日本人のパタンナーが結構いるらしい、日本人のパタンナーが重宝されているらしいという噂は幾度となく聞いていました。日本人は手先が器用だから、細かい仕事ができる、真面目で責任感があるから、、、確かにそうは聞いていたものの、本当に日本人だからといって重宝されているのかどうかも信じられなかったですし、噂はあくまで噂。直接の知り合いがいるわけでもなく、実際にヨーロッパに渡ってみて働いてみるまでは何もわかりませんでした。そして2008年の2月、イタリアはミラノに渡り実際に海外で働き始めそれらを体感する毎日がスタートします。日本人であることがプラスに働くこともありましたが、やはり辛いことの方が圧倒的に多かった様に思います。この様な日本ではまず経験することのない7年半の様々な体験を経て自分自身が将来何をすべきか、そして日本のファッションがどうあるべきか、たどり着いた考えを人前で話させていただけるきっかけを頂いたのです。講演では言えなかったことも追加して、現時点での趣旨をまとめたものになっているので、ファッションに携わる人にも、そうでない人にも何らかの参考になればと思います。
第1章は『ファッションのグローバル化』です。
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