横文字が氾濫するファッションメディア | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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 以前からずっと思っていて今まで書く事が無かったことがありました。それは日本のメディアに登場する横文字に関する問題です。横文字、つまりここでは外来語、特に外国人のデザイナーやお店、地名といったような元来日本語表記ではないモノや情報の表記の事です。そもそも日本語で書き(言い)表せない発音というのはどこの外国語でもあるものです。例えば RとLの発音は日本語ではラ行でまとめられますし、BやVもVに関してはヴという表記があるものの話すときはバビブベボで話される事が一般的でしょう。日本人に一番慣れ親しまれている英語でさえ、カタカナで表記できない発音は多くあります。人の名前やブランド名などそういった情報はメディア上では皆で共有される必要があるため、一度ある言い方が定着すれば、例えそれが現地の人間からすれば違和感があるものであってもずっと使い続けられるものです。


 僕が今回言いたいのは、外国語の名前等を日本語表記(多くの場合はカタカナ表記)することは日本においては自然な事だとは思うのですが、そこに必ずオリジナルの言語の表記をカッコ付きで表記すべきだと思う事なのです。その理由としてまず第一に、日本語表記(カタカナ)で名前を記憶してしまうと、海外の人とその話をする時に、そのままカタカナ発音したとしても、まあ通じません。こういう時に、アルファベットでどう書くのだろう?と初めて考えてしまったり、わからないから結局話が流れたりなどということにもなり得るからです。今ならスマートフォンで検索して、、、ということも出来なくは無いですが、仲のいい友人との会話ならともかく、初めて会った人やそれほど親しい人とではない場合、そういうことに時間を費やすのはあまりいい印象ではありません。カタカナ表記と一緒にアルファベット表記があったならば、日本語的に記憶したい人はカタカナで記憶すればいいし、海外でもコミュニケーションすることが多い人は自然とアルファベット表記で記憶するはずですから。そして第二に、これはインターネットでの話になりますが、カタカナ表記だけでは海外の人から検索される可能性が極端に低くなります。海外の人でカタカナを理解できる人はごくごく少数ですから、自然とアルファベットでの検索になるでしょう。そんな時現地語の表記があれば検索にひっかかりますが、カタカナだけだとそうはなりません。今のこの時代インターネット場での情報発信を無視することほど勿体ない事はありません、そう考えればカタカナ表記と同時に現地語表記することが必要不可欠だという事も解ると思います。


 そういう意味で言うと僕がいつもチェックしているfashionsnap.comでは、外来語はほぼ間違いなくカッコ内で現地表記も記載されているので、そう言った意味だけでもとても視野の広い優秀なサイトだと思いますし、丁寧でかゆいところにも手が届いているなと思うのです。おそらく編集に関わっている人が海外での生活の経験等が何かしらあるだろうし、インターネットの特性をきちんと考えているからだとは思いますが、その他のサイトは有名な所であっても意外とカタカナのみで一切オリジナルの表記はされていなかったりします。興味がありましたら是非色々確認してみて下さい。実際海外である名前を最初に知って、それを日本に帰ってからその名前を雑誌等でカタカナで書かれているのを見て違和感を覚える事は多くありますし、日本のコラム等で筆者が自慢げに新しい海外のアーティストなどを紹介しているものをしばしば目にしますが、その肝心のアーティストの名前をカタカナでしか表記していないため、検索がしにくいなど不都合な事も多くあるのです。


 ことファッションに関しては海外の情報を無視して語る事はもはや不可能と言えるでしょう。このように、検索に引っかかりやすいとかといったビジネス面の事だけではなく、今や日本人といっても色々な日本人がいますし、日本に住んでいる外国人もたくさんいるわけですから、少なくとも海外からの情報に関しては 日本語と現地語表記を併記するということが当たり前になれば、価値のある情報をより広く普遍的に共有することがより容易にできるのではないかと思うのです。



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