『日本のファッションに足りないもの』 | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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<本日の記事は北村悦子さんに書いていただきました>


8/22~24に掲載された寺西さんの『東京は世界一のファッション都市か?』を読ませていただいて日頃考えていたことをお話させていただこうかと思います。

私の学生時代は本当に一つ“これ”が流行ると街中制服かの様に猫も杓子も同じ格好をしていました。
紺ブレ、ポロシャツ、ヴィトンのバッグ、ア二エスbのスナップカーディガン・・。
もうウンッザリするほど溢れ返っていました。
寺西さんの仰るとおりお洒落を楽しむと言うより人と同じでいることで“安心”を手に入れていたんだと思います。
それから長い年月をかけ、少しずつですが日本人のファッションに対する意識は高くなっていると思います。
特に若い男性がとてもファッショナブルになったと感じます。
かつては男は白Tシャツとジーンズさえ履いていればOKなんて時代もありましたから。
私の年代からすると寺西さんは男の子たちがお洒落を楽しむようになった頃からの世代なので、スタートがややハイレベルです。
そしてその後にパリやミラノの本場で目を肥やしているのですからヨーロッパ人の洗練されたセンス見て日本の未熟さを余計に感じてしまうのでしょう。
今回の寺西さんの記事では現在の東京のファッション文化の特徴と未成熟な部分が客観的に書かれていて、非常に参考になりました。
私が旅行などでヨーロッパ人を見て人をいつも惚れぼれするのが街を歩くお年寄りの服装です。
ヴィヴィッドで美しい色や柄をさらっと着こなしてお友達同士で楽しそうにしている姿は本当に素敵です。
日本のお年寄りはどうしても沈んだ色調のものを着ている人が目立ちます。
好みや人の目があるから仕方ないのかもしれませんが、たいていの人は年を重ねると明るい色みの方が明るく若々しく見えていいのに、と思うのです。
青山辺りではごくたまに自分に似合うものを良く知っている素敵なお年寄りも見かけますが、地方では奇抜すぎてあまり好まれないのが現状です。
それともう一つ気になっているのが歌舞伎などのお芝居やちょっと高級なレストランでしっかりお洒落している人が少ないと言うことです。
もちろんばっちりお洒落している人もいますが、普通よりややきちんとしているか、普段着のような人がたくさんいます。
日本人の控えめな文化からするとあまりお洒落しすぎているとかえって恥ずかしい、という気持ちもあると思うのです。
周りとのバランスもあるので自分だけ浮いてしまうような格好は出来ないし・・、と頭を悩ませる場面も少なくありません。
思いっきり高級なところなら目一杯のお洒落をすれば良いでしょうが、我々一般人がたまにする贅沢とは“そこそこ”のものだから難しいのです。
それでも観劇で粋に着物を着こなしているご婦人やレストランで素敵な装いで食事する老夫婦などを見かけると、あぁ、自分もあんな風に年を取りたいなぁなんて思わずにはいられません
オケージョンによる服装の差別化があまり出来ないのが日本人がヨーロッパ人と大きく違っている特長の一つではないでしょうか?

なんにせよ、“似合う”ということが大切です。
“自分の顔やスタイルに似合っている”
“その場所に似合っている”
“自分の年齢だから似合っている”
と色々あるわけです。

外国人から評判が良いとすれば“素敵”なのではなく“面白い”のでしょうね。
それももちろん誇らしいですが、やっぱり日本人センスいいなぁ~って言われるようになりたいですよね!
自分も含めまだまだ成長の途中である日本のファッション文化が更に洗練されていくことを願います。
その為の訓練の一つとして美しいものにたくさん触れた生活を心がけようと思う今日この頃です。



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