有名になるという事(後編:収入と責任は比例する) | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

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 前回、有名になるということは自分の言動で世の中に影響力を及ぼすことができ、そのために一般人よりもその言動に思い責任が生じ、その代償として大きな収入を得る事ができる人の事、と言いました。

参照記事:有名になるということ(前編)

有名人とは人の前に出る人、出る事の出来る人と言う事もできると思います。では、具体的に見てみましょう。


 有名人と言えば芸能人がまず挙げられると思います。僕は芸能人の役割は、“芸能の人”と書く通り、何か並外れた特技・特徴があり、それを活かして収入を得るということが本来の姿だと思いますが、これだけだと一般の仕事をしている人と大して変わりません。我々も、各々のプロフェッショナリティを持つがために収入を得ている訳ですから。何が違うかと言うと、メディアに露出する価値があるかどうかにあると思います。需要が無ければどれだけ出たくてもメディアには出られませんし、出られるということはそれだけ世間が見たい、聞きたい、知りたいと欲しているという事で、ということはそれだけ言動に責任が生じるということなのです。あるカリスマ女優がある化粧品をすごくイイといえば、次の日からその商品に長蛇の列が出来たりしますね。でもこの発言が実は真意の無い全くの嘘だったとしたら、彼女のたった一つの発言で世の多くの女性を混乱に導いた事になります。本人からすれば大した事ではないでしょうが、発言の影響力は大した事ではない、とはもはや言えません。


 超有名デザイナーで考えてみましょう。今をときめくデザイナーは、日本では芸能人程のメディアの露出はありませんが、ファッションを目指す学生、将来を夢見るファッション産業の人々にとっては注目の的です。たとえば、その人の出身の学校はそれだけで注目されて価値が上がるでしょうし、どのデザイナーに影響を受けて来たか、その人が何を着ているか、どこでご飯を食べるか、などみんな誰でもしていることでもその情報に価値が出てくる訳です。たわいもない一言でも、ファッション界の人々は一喜一憂するわけです。そう、本人がその責任感を意識しようと、せずとも世の中はその言動に大きな影響を受ける、ということが有名人であることの特徴なのです。


 有名になるためには、世の中にそれなりの価値のある活動をしなければ注目されませんが、どれだけ価値ある活動をし続けても、メディアの取材を一切拒み続ける事で有名になる事を避けることは出来ると思います。が、一度有名になってしまうと、有名人を辞めようと思っても自分の意志でコントロールは出来ないという所に注目しないといけません。なぜなら、その人に注目してるのは世の中であって、その人自身ではないからです。有名でない時は、人は欲が出て有名になったらあれしてこれして、、、、、と色々夢を持ちますが、有名になった時の責任の重さはなってみないと判らないのでしょう、有名になる準備ができていないまま有名になってしまったがために、有名であること(人に自分の活動を知ってもらう事)と責任の重さとのバランスが取れていない人が今は多いように感じます。もちろん今はインターネットの普及で一昔前より人々からの注目を集める事がだいぶ容易になったということはあげられるでしょう。もちろん、有名だろうがなんだろうが、自分の好きな事を言って、して、責任なんて知らねーよと言う事もその人の生き方ですし、勝手ではあります。が、有名である事(自分の影響力)を利用して収入を得ているのであれば(規模が小さかったとしても不特定多数の人々の前で活動を行う事で収入を得る人は)こういった考えでは自分の立場に対する責任感の欠如を感じざるをえません。


 つまりこういうことからも、僕は収入とは責任の重さ(=どれだけの人と直接的・間接的に関わっていて、その人達に対してどれだけの影響力があるか)の代償であると捉えているわけです。労働を通じて収入を得る場合(株とかは別)、収入が上がるという事はそれを支払ってくれる人数が増える一人当たりの額が増える、もしくはその両方が同時に生じるということです。これはすなわち自分の影響を受ける人の数が多くなり、影響力が重くなっているという事の現れでしょう。3年間頑張って働き続けたから給料が上がるべきだとか、上司が辞めて自分がその立場になるから同じ額をもらうべきだとか、また逆に芸能人はいいもの着て、買って、食べていつもちやほやされて楽で良いねえとか、あの人テレビで偉そうな事いってるだけじゃない、と考える事は本質的には間違っていると思うのです。三年間続けたからではなく、3年間で次のより大きな責任をとれる準備ができているかどうか、上司が辞めて自分がその立場を引き継ぐ事の出来る責任感がともなっているかどうかという事が大事ですし 、芸能人は一見良い事尽くめに見えるけど、夢を与える事がそもそもの仕事であるし 、そういうイイ姿しかメディアで流されてない分誤解も多く、普段の生活でも他人の視線に常にさらされるし、自分の言動が常に監視されていて本当にくつろげる時間が極端に少なくなるというリスクも大きく抱えているはずです。だからこそ、収入となって返ってくるべきなのだと思います。


 だから、自分も含め今の収入に満足していない場合、自分の仕事における責任、直接的な誰かに対して与えうるものも、自分の仕事の結果が世に与える影響力等(間接的影響)も全て考慮して考えてみましょう。本当に満足していないことが正しいかどうか。そう深く考えても足りない!というのであれば、考えたことを直接会社にぶつけてみるべきでしょう。また逆に今の収入が一般の人より多いなと思える人も、もう一度考えてみましょう。なぜ人より多いのか?学歴があるから?昔頑張って勉強したから?いやいや、それは過程としてはあったでしょうが直接的な理由ではありません。ただ単に、自分の収入は一般人より多いと誇らしく思うだけでは責任ある社会人として欠けている点があると思います。今、どういった責任が自分にはあるのか、どういった影響力があるのか?たまに自分の仕事、世に与える影響力を見つめ直し深くその責任を自覚することで、自分のプロフェッショナルな言動にさらに品位と厳格さが備わってくるのではないかと思うのです。



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