見た目の第一印象が持つ説得力  | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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フリーランスパタンナー北村悦子さんによる前回の記事を読んでの感想を書きました。

<北村悦子さんによる参考記事:『技術者にとってのファッション』



「人は見た目で判断されてしまう」


 僕がファッションに興味をもちはじめたきっかけの一つはこの言葉だと思います、もう少し正確に言うと「人は見た目で判断してしまう」でしょうか。「人は見かけじゃない」とか「見た目で人は判断できない」などとどれだけ声高に叫んだとしても、こういった言葉が存在する事自体「人は見かけによる」「人は見た目で判断できる」ということが往々にしてあることの裏返しである事は明らかです。かといって「人は見かけが全てである」と言った様な極論を言うつもりは毛頭ありません。が、「人は見かけで判断してはいけない」とよく言われる教訓が意味している通り“第一印象の影響力”というものがとてつもなく大きいことはファッションを生業にしている人間にとって無視する事は出来ませんし、この影響力を世間に良い形で提供し、知らせる事が我々ファッションで商売している人間の使命だと思っています。


 人は多かれ少なかれ「他人からこういう風に思われたい」という願望を持っています。その願望をかなえる手段の一つとしてファッションがあります。我々はその願望をかなえるためにファッションを選び、装いそして自分の理想像を実現していきます。ということを皆知っているので、他人に初めて出会った時の印象(ここでは服装について考えたいです)、がその人がそうありたいと思っている理想の姿なのだと言う風に勝手に理解してしまい、第一印象として強く記憶に刷り込まれるのです。だからこそ誰かに初めて会うと前もって分かっているときには我々は服装、髪型などの“見かけ”に関して特に注意を払う訳です。


『制服のない技術者にとって“服装”とは“名刺”であり“プレゼンテーションの道具”なのです。』


 北村さんが前回の記事で書かれていた言葉ですが、これは上で僕が書いた様に“第一印象の影響は大きい”といった程度の問題ではなく、(ファッション業における)技術者にとっては自分の服装は自己プレゼンテーションの大きな一部であり、服選びですでに仕事を取れるか取れないかの判断に影響を及ぼしているのだということを意味しています。北村さんの記事と少し重複しますが、「技術者は(特に会社で働くパタンナー)は、表に出る事が仕事ではないし服装にあまり気を遣わなくてもいい」といったような空気があったりします。確かに服装や見た目にあまり気を遣ってなくてもすごく良い服を作るパタンナーもいらっしゃるかもしれません。作る事と選ぶ事は全く違う事であって、お洒落な人がきれいな服を作れる事には全くならないし、きれいな服を作れる人がお洒落とも限りません。しかし、洋服を好きでない人が、洋服を心から楽しんでいない人が良い服を作れる訳が無いと僕は思っています。洋服を楽しむ喜びを知らない人がその喜びを誰かに伝えられる訳がありません。洋服を楽しむという事は誰かや会社に無理矢理押し付けられるモノではなく、自分からつかみ取っていくものです。確かに洋服を楽しむという事はどれだけ安い服が増えたとは言え、お金と時間がかかることです。しかしその犠牲を払ってでもそれでも楽しいから楽しむのだという気持ち、これがその人から溢れ出ているのを感じられた時、我々はその人をファッションに携わる人として信頼でき、その人と時間を共有したいという気にさせられるのではないかと思うのです。


 僕は自分を良く見せたいという気持ちは当然持っていますし、自分が納得できる自分を表現できた時はやっぱり嬉しいですし、外に出たくなります。この気持ちを忘れるという事は今の所僕には考えられませんが、この楽しみを一人でも多くの人に知ってもらい、楽しんでくれる人が増えるきっかけになる様な仕事を続けて行かないといけないなと北村さんの記事を読んで考えさせられたので、これを今回の感想とさせていただきたいと思います。



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