憧れを与えられる仕事をしているか | 伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

伝統技術を現代のライフスタイルに合わせて発信するプロジェクト  ”ARLNATA” アルルナータ ディレクターの独り言

約11年に渡るヨーロッパの様々なステージのラグジュアリーブランドを経て日本に帰国し、衰退産業とも言われている日本の伝統技術を今の形で発信するためのプロジェクト”ARLNATA”アルルナータを主催しているディレクターの独り言です。
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 3回にわたって北村悦子さんに今の仕事を目指したきっかけ等について書いていただきました。

※ 『今の自分を創ってくれた人・服たち』前編

※ 『今の自分を創ってくれた人・服たち』中編

※ 『今の自分を創ってくれた人・服たち』後編


 仕事をしている人にとって、その仕事をなぜ選んだのかのきっかけは人それぞれだと思います。初めは嫌々でスタートしたけれども、後から興味がわいて来たり、初めは大好きだったけれども中に入ってみて嫌になったり、始めたからといって同じ気持ちが一生続くとも限りません。そんな中で僕は中学、高校生位から興味を持ち始め、大学生でロクに建築の勉強もせずに洋服作りに明け暮れていたことからファッションの世界に入ることができ、辛いことももちろんたくさんあったけどそれでも今もこの仕事を一生続けて行こうと思えるのは幸せな事かもしれません。なぜ続けて行こうと思えるか。それは今でも夢があるからです。大学生の時に持っていた夢と今持っている夢では形は少し違いますが、あの頃だって今だって、ああなりたい、こうなりたいと思う気持ちがあるからこそ続けていけるのだと思います。そう、夢を持つ事は前に進む大きな原動力になるのです。


 北村悦子さんの記事にもあるように、この仕事に憧れを持つきっかけを与えてくれた人はたった一人ではありません。僕も以前「自己紹介:服の経歴」(※注)と言う記事で何人か特に影響が大きかったデザイナーを書き出しましたが、洋服はデザイナー一人で世に出る訳ではありませんし、そのデザイナーに携わった全ての方々も合わせればそれは相当たくさんの人から影響を受けていることになるわけです。今自分はプロとしてファッションの世界にいるわけで、もちろんあの頃に比べて色々と意識も変わっているでしょうし、見る眼も異なっているでしょう。そんな自分が今のファッションを昔と比べると、正直僕は昔の方がもっとワクワクさせてくれる様な服がたくさんあったなあと思ってしまいます。今見ても時代を感じさせない素敵な服もたくさんありますし。では、今まさにファッションを勉強しようとしている学生達には今のファッションはどう映っているのでしょうか。僕がワクワクしていたのよりも、もっとワクワクを感じているのでしょうか。そう考えて先日ファッションスナップの記事で今の学生達が買うブランドトップ10の内の9つはファストファッションという悲惨な結果を思い出します(参照記事:服飾専門学生の「良く買うブランドランキング」に見る危機。ファストファッションに夢があるのだろうか、彼らはファストファッションで将来の夢を描けるのだろうか、そう思うとやはり何か動かないといけないなという気持ちを押さえられません。僕が昔受けたようなショックは僕はファストファッションからは受けることが出来るとは思えないし、100歩譲って例え有り得たとしてもその“元”になっている物が間違いなくある訳で、その“元”が裏に隠れて表に出て来られない様な世の中では、誰も真剣なモノ作りに夢を見られなくなるでしょう。


 プロとしての自覚があるならば、次の世代に夢を与えられる様な仕事をしようとする姿勢を持たなければいけないし、自分の仕事が夢を与えられているのだろうか、時には自分の仕事を客観的に見つめる必要もあるのではないでしょうか、自分が今の仕事を目指すきっかけとなった、夢を見るようになった出来事を思い出しながら



※注 参照記事

自己紹介:服の経歴 1( ファッションに目覚めた中学・高校時代) 

自己紹介:服の経歴 2(洋服デザインの可能性に気付いた高校時代)

自己紹介:服の経歴 3(購入と試着の大学生時代

自己紹介:服の経歴 4(人生を変えた二人目のデザイナーの服に出会った東京時代)

自己紹介:服の経歴 5(初めてのヨーロッパ生活、ミラノ時代初期)

自己紹介:服の経歴 6(一度目の転職以降のミラノ生活・現在)



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