若いふたりがする恋は
それぞれの夢の世界に相手を
駒として配置することに
近いのかなと思う。
落ち込んだときには優しい言葉をかけ
疲れたときにはなぐさめてくれる
仕事ができる
誕生日にはサプライズを用意し
決して浮気はしない
彼氏ってこういうものでしょう?
そんな夢の世界で、
相手を駒としてみる。
思い通りに動いてくれないと、怒る。
すべての予定を自分に報告し
あやしい行動は一切とらない
他の誰よりも自分のことを気にかけ
毎日家の中にいる
電話をすれば3コール以内に応答
メールには10分以内に返信
男ともだちは決してつくらない
彼女ってそういうものでしょう?
そんな夢の世界に相手を置いて
自分の好きなように動かそうとする。
共同で夢を創ろうとすると
共依存になるのかもしれない。
もしくはどちらかが演者としての
役割を粛々と演じ続けるのか。
相手の夢の世界に生きると決めて。
恋は夢の世界。
決して相手を見ようとはしない。
見ているのは相手の瞳に映る自分。
愛は現実の世界。
愛と共にあるとき、そこには相手しか存在しない。
夢の世界は消える。
見ているのは、相手の瞳の奥にあるひかり。
愛の世界をのぞく