ロジャー・マッギン
ジーン・クラーク
デヴィッド・クロスビー
以上の3人によって結成され、その後、クリス・ヒルマンとマイケル・クラークが加入します。
かねてから、ビートルズとボブ・ディランの融合によるフォーク・ロック・サウンドの確立を
目指していたバーズですが、1965年にボブ・ディランの作った「ミスター・タンブリン・マン」で
デビューし、いきなり全米シングルチャート1位の記録を打ち立てます。
そして3枚目のシングル「ターン・ターン・ターン」も全米シングルチャート１位を記録し
この2曲がバーズのシンボル的な曲となります。
こうして、フォークにロック・ビートを取り入れた「フォーク・ロック」のスタイルを確立します。
しかし、彼等はそれだけにとどまりませんでした。
1966年には当時のサイケデリック・ムーブメントを先取りした先進的な楽曲で、世界初の
サイケデリック・ロックと言われる曲「Eight Miles High」を発表します。
ロジャー・マッギンの12弦ギターの奏でる、うねるような不協和音的イントロは
ジョン・コルトレーンの影響を感じさせますが、「ドラッグ体験を連想させる」という理由で
いくつかのラジオ局では放送禁止になってしまいます。
サイケデリック・ロック以外にも、当時一大ブームとなっていたインドの楽器、シタールを用いた
ラーガ・ロックや、スペース・ロックと言われた宇宙的サウンドの「ミスター・スペースマン」まで生みだし、
ロック界におけるフロンティアの中心的バンドになっていきました。
そして、そんな彼らの築きあげたもう一つの金字塔が、グラム・パーソンズの加入によって
生み出され、1968年に発表した「ロデオの恋人」です。
このアルバムで「カントリー・ロック」というスタイルを作り上げました。
様々なスタイルのロックと作り上げていったバーズですが、バンドメンバーは、次々に別の道を
歩み始めていきます。
デヴィッド・クロスビーは「クロスビー、スティルス、ナッシュ＆ヤング」を結成し
美しいハーモニーを売り物とするフォーク・ロック界最高のバンドを作り上げます。
ジーン・クラークは、ブルーグラス・バンド「ディラード」のダグ・ディラードと
「ディラード＆クラーク・エクスペディション」を結成。
ブルーグラス・ロックとも言える新しいスタイルを生みだします。
こうしてほとんどのメンバーが脱退し、オリジナルメンバーはロジャー・マッギンのみになります。
メンバーを入れ替えながらも活動を続けましたが1973年に解散してしまいました。
フォーク・ロックの確立だけに留まらず、サイケデリックやカントリーなどを融合させ
画期的なサウンドを展開してきたバーズ。
彼らを語ることは、「ロックの歴史の分岐点」を語ることでもあり、それだけに
このバンドから枝分かれしていったバンドやジャンルは数多くいます。
それ故に、バーズの歴史は1960～70年代にかけてロックの最も重要だった時代の歴史とも言えます。
彼らの切り開いた道は、後世のミュージシャン達にこの先も受け継がれていくでしょうが、
もしバーズが存在しなかったら、今日のロックシーンも無かったかもしれません。
まさに、音楽シーンに新たな創造性を生み出したバンドが
今日ピックアップした「バーズ」です！
【お送りした曲】
So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star / The Byrds
Eight Miles High / The Byrds
Mr. Tambourine Man / The Byrds
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